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winter's scarecrow

あくがれ

ベランダの干し竿に赤とんぼが暫しの休憩。

森山直太朗の ♪ 夏の終わり ♪ のさびのメロディが浮かぶ。

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        けふもまたこころの鐘をうち鳴らしうち鳴らしつつあくがれて行く  牧水


『 あくがれ 』の意味、魂が今在るところから何かに誘われ離れ去ってゆく。
牧水文学の本質である『 あくがれ 』。

宮崎県日向市東郷町にある酒造元から2本の芋焼酎が東京のわが家に届いたことがあった。

” あくがれ " という名の芋焼酎。

その年、宮崎放送で若山牧水の彷徨を描いたドラマが同名のタイトルで放映された。
牧水への想いとドラマの感想と感謝の手紙が添えられていた。

美味しい焼酎だった。嬉しかった。

東郷町の牧水の生家で丸一日の撮影、山に囲まれた生家の前には悠々と坪谷川が流れている。

休憩時間におにぎりを食べながら坪谷川を眺めていた。 牧水も幼少期、私と同じようにこの川の流れをずっと見ていたとことと思う。

「この川を下ったら、あの山を越えたらどんな世界があるのだろう・・」


私がこの豊かな自然に囲まれて育ったら、どんな人になっていたんだろう?
牧水と同じで " あくがれ " ていたのか、地元の役場か郵便局に勤めていたか?

カメラ好きのN さんからのお土産、比内地鶏の肉みそをつまみながら記事を書いている。傍らに芋焼酎。

FMから家入レオの曲が流れている。
この20歳になったソングライターの詞と曲にいつも驚き感動している。 ” あくがれ " ではない、地に着いた惑い。
# by w-scarecrow | 2015-08-26 23:16 | そのほか

小さい秋 み~つけた

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旅先の旅館で出される朝食はなんであんなに美味しいんだろう?

定番の日本の朝のご飯やおかずが、家で食べるより何倍も旨く感じる。


しがないビジネスホテルに泊まっても、地方局の朝のワイドショーを観るのが愉しい、CMも。

洒落たカフェの朝食ではなく、入口にスポーツ新聞が何紙か置いてある昔ながらの喫茶店のモーニングサービスがなんであんなに美味しいんだろう?

トーストにサラダ、スクランブルエッグに紅茶(珈琲)、そんな家でも作れるのに・・。

朝から常連の勤め人やご近所のお年寄りたちが集う空気感、お国言葉。そんなスパイスのきいたトーストがなぜか美味しい。







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生まれて初めて飲んだコカ・コーラの「なんで、こんなもの皆、飲むんだろう?」と不思議に思ったこと。

初めて12歳上の兄に連れていってもらった六本木ニコラスの Pizza の地球の自転が止まるくらいに感動した味。

夜行列車に乗って冬休みに京都へのひとり旅、半熟ぎみの親子丼のなんと旨かったこと。
東京の蕎麦屋で食べる醤油色した天津丼みたいな親子丼しか知らなかった。

米 Ohio 州の片田舎で初めて食べた大きなピタに包まれたケバブの感動。

山形県朝日町のむさし屋さんという小さなお蕎麦屋さんで食べた中華そばとざる蕎麦のなんと美味しかったこと。

すべての食の感動には楽しかったシツエーションと心和む人の顔が想い浮かぶ。

仕事関係の人と会食した高級店の料理は浮かんでこない。



夕食を作るのが面倒になったときはメンチカツ丼を作るときが多い、メンチカツサンドも。

京王線・幡ヶ谷の六号商店街を抜けたところに " グルメ・ナカムラ " (普通の肉屋)という店のメンチカツとアジフライが病みつきになっている。週一で自転車を飛ばしている。


ミンミン蝉も啼き疲れたのか、合唱が乱れ始めている。
♪ 小さい秋 小さい秋 見つけた ♪
# by w-scarecrow | 2015-08-23 21:55 |

うずらの玉子

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道往くお父さんたちは皆、疲れきっている。お盆休みの終わった月曜日、きっとユンケルの売り上げは上がっているだろう。

やっとのことで高級旅館を予約し海鮮三昧の豪華な食事、息子や娘へのお土産を手に帰宅したら「あ~やっぱりうちが一番」とソファーに寝転ぶ韓流好きの古女房。

佐野研二郎氏の過去の作品を遡って検索疲れをしたお父さんも目をパチパチしながら歩いている。

発泡酒を呑みながら昼間からゴロゴロと高校野球を観ていたお父さんは少しばかり元気だ。

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ものを食べるとき、好きなものを初めに食べるか、最後にとっておくか?

最後にとっておくと答えた人は70%以上いるらしい。

秋元康やテリー伊藤はまっ先に好きなものを頬張っていると思う。人生のサバイバルを勝ち抜くにはそうしなければ生きていけない。

もちろん私は中華丼のうずらの玉子は最後に〆として食べる。
桶に入ったにぎり寿司も嫌いな順番に食べていく、最後はコハダ。


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この好きなものを最後にとっておくという法則は数々の悲劇を呼ぶ。

中学3年のときに長めの髪を後ろで束ねた、切れ長の目をした転校生の女子が入ってきた。

少し大人びた美人。

こういう子には必ず、面倒見のよい(お節介な)ぽっちゃり気味の女子がコバンザメのように張りつく。
この涼しげな転校生は時折、ふだん見せない笑顔になる。

「wくん、この前から我慢をしてたんだけど、そろそろ取っていい?!」
私の肘にできた " かさぶた " を取りたいと大人の女の笑顔で言っている。

いつものようにポジティブに勘違いをしてしまった私はあの美人をどうしたら落とせるかばかりを考えていた。
とりあえずアイドルのマネージャーのようにこびりついているコバンザメと仲良くなり親交を深めなければいけない。

コバンザメとの親交に時間を取られた結果、転校生の美人はバスケ部の鼻持ちならない男にバレンタインのチョコレートをプレゼントし、私はコバンザメからチョコをもらうことになってしまった。

男はパスをもらったらすぐにシュートしなければ生き残れない!

でも親子丼を食べるとき、みつばが玉子と絡みあった部分は最後に残したい。
# by w-scarecrow | 2015-08-19 20:51 | そのほか

Tちゃんへ

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Tちゃんが作ってくれた折り紙の黄色い花、おじさんの机の上でずっと咲いているよ。

殺風景な部屋にスポットライトが当たっているようだ。



9歳になった T ちゃんは両親とともに叔母さん夫妻、従妹の住むシアトルへ。

父親の西ちゃん、お母さんの和ちゃんからシアトル土産をいただいた。


シアトルといえばマリナース、ちゃんと岩隈の登板試合を観てきたらしい、岩隈は昨日の試合でノーヒットノーランの記録を作った。
一週間、T ちゃん一家の観戦がずれていればな~。


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父親の西ちゃんは大分県日出町出身、母親の和ちゃんは静岡県清水出身、にほん昔ばなしに出てくるような平和でのんびりとした町で育っている。

T ちゃんは知らないと思うけど、お父さんとお母さんを引き合わせたのは、w おじさんなんだよ。

BAR でひとりでウイスキーをチミチミと呑んでいたお父さん、そんな暗~いお父さんと話をしているのがすごく辛くて、たまには、ひまわりみたいな明るい女子でも呼ぶか・・とお母さんを誘い出したんだ。

そんな訳でいまの君がいるんだ。

恩着せがましく、大分日出といえば " 城下かれい " と、いつもお父さんに小声で囁いています。「城下かれいもいいし、関アジ、関サバもいいよな・・・」

でも、いつもたくさんの地産のものを送ってくれて感謝でいっぱいです。関アジ! 関サバ!

一度、お父さんお母さんに訊いてほしいんだ「wさん、ちょっと会ってもらいたい人(娘さん)がいるんだけど・・」と一度も言われたことがないんだ。「なんで?」と。

アメリカ西海岸での夏休み、ずっと五感に残っているんだろうな。
お母さんが作ってくれた旅のミニアルバムを観てほんと幸せな気分になりました。ありがと。
# by w-scarecrow | 2015-08-14 19:53 | そのほか

やっとかめ

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夏が来た~っ、でも暦の上ではもう秋。

お父さんの背中には粋な瓢箪の腰揚げ、下北沢一番街には開始を待つ連の人たち。


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鳥追い笠を被った女性の俯き加減の姿がなんとも、しとやかなことか。
サンバカーニバルの胸を張ったドヤ顔の女性の笑みにはいまだに馴染めない。

「やっとサー」「あ~ やっと やっと」の小気味よい掛け声。

「やっとサー」、阿波弁では『やっとぶり』は久しぶりの意味らしい、名古屋弁の「やっとかめ=お久しぶり!」とどこかで繋がっているのかもしれない。
" ブリ " と " 亀 " の違い。

鹿児島弁の「おやっとさー=お疲れさま、元気で」はどうなんだろう?


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井の頭線・東松原駅のすぐそばにいつも賑わっている " 四国路 " という徳島の手打ちうどんの店がある。
名物、たらいうどんが美味しい。讃岐と違うコシ、炊き込みご飯もついてくる。

本場の徳島の阿波踊りは明日から始まる。きっと四国路も店を閉めているかもしれない。

となるとますます食べたくなってくる。

TVを点けると、マルコメ君や一休さんたちがグラウンドを走り廻っている。いいな~日本の夏。

今日は老母の誕生日、本人はきっと誕生日を忘れていると思う。「元気でいてくれてありがとう!」
# by w-scarecrow | 2015-08-11 08:33 | そのほか