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winter's scarecrow

2012年 04月 08日 ( 1 )

♪ 君の欲しいものはなんですか・・

" 網棚に花束一つ終電車 "

何年か前の週刊誌にこんな川柳が載っていたと新聞のコラムで知った。
定年の送別会で贈られた花束、2次会、3次会と惜別の酒を重ねるうちに、したたか酔ってしまい、終電の棚に置き忘れた花束。
支えてくれた家族への言葉には出さない感謝、仲間たちへの「ありがとう」、そんな定年を迎えたお父さんと網棚の花束と人生は、車庫へと向かっていくのか・・・。

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昨年に離婚をし、今はひとり身となった写真好きの H さんとBARで酒を呑む機会が多い。
カメラの機器についての話を聞いているだけで愉しい、私の知らない世界が広がってくる。

H さんは大学時代以来のひとり暮らし、借りたアパートのキッチンには雪平鍋とヤカンしかないという。
仕事を終えて居酒屋さんで酒を呑み、食事をして帰るか、コンビニ弁当をチンをしてもらって帰るかの選択みたいだ。
ひとり暮しの長い私としては、食生活の話を聞いているだけで母性(父性)本能が湧いてくる。
「身体壊っしゃう」と言いかけるが、 H さんも承知していることと思う。 

H さんは年頃になった娘さんと2人で食事をした時のことを愉しく話してくれる。 
「どんな男と付き合おうと構わないが、できちゃった結婚だけはやめてくれよ・・・」
これは、どんな父親にも共通する台詞。
「解ってる。お父さんもできちゃった結婚はダメだよ!」との娘さんの反応があったらしい。

そんな娘さんの話や青春時代の話をして下北沢駅で別れる。
どう見ても23歳の娘さんがいるとは思えない闊達とした H さんだが、見送る後姿が疲れている、学生時代以来のひとり暮らしに疲れている。
でも私と違って、娘さんを含め心の置き場がある。
好き勝手に自由に生きてきた男と違って、責任、みっともない生き方はできない父親の姿がある。

家へ帰りCDを聴く。 2年前にCMで流れていた吉田拓郎の名曲♪ 流星 ♪ のカバー、手嶌葵の歌う ♪ 流星 ♪(clickすると youtubeへ) がどっと深く心に沁みる。

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桜が満開の東京、薄いピンクの花びらに透けた青い空、淡く儚い花びらの表情を浮き立たす。
by w-scarecrow | 2012-04-08 22:06 | そのほか | Comments(4)