あのとき
森田童子が逝った。
高校時代にスキーツアーで知り合ったMちゃん。
その後、美術系のZ大へ進学するのだが、高校時代から僕らの知らない宇宙みたいな世界へと道を開いてくれた。
寺山修司、高橋和己、ゴダール、萩原朔太郎、夜と霧、フェルメール、東松照明・・いっぱい、彼女から教わった。
時代性なのかもしれないが高校生らしからぬ会話をしていたいたのかもしれない。
彼女のお父さんは有名なジャズサックス奏者。
まだまだちゃんと付き合っていないとき「wくん、来年になったら抱いてもいいから」と言った。
「抱いて」こんな言葉は三省堂の国語辞典にも記載されていないし、当時の十代の男子には、言葉の余韻だけで一年間ボーと待っていられる。
そんな今、想えば不思議ちゃんだが、当時の美大高生はもっと果てしなく翔んでいた時代。
「抱いてもいいから」と言われてずっと待っていたのに私の誕生日のプレゼントはカセットテープだった。
♪ さよなら ぼくともだち ♪ 森田童子
このカセットテープはいまだ机の引き出しに残っている。
当時のアングラ的な時代風景がいっぱい詰まっていた。
そんな歌詞に今、ゾクッとくる。
そんな時代があった。 あと何年、待てばいいんだろうか?
by w-scarecrow
| 2018-06-17 03:26
| my back pages