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winter's scarecrow

やっとこ・・

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低層の都営住宅が太陽をいっぱい浴びています。

「いいな都営住宅は・・」と羨まし気に眺め新しいわが家へと帰ります。

生まれからずっと渋谷区民だったのが、今や初めての世田谷区民。 世田谷区と杉並区の区境に近いところに引っ越しました。

流れる空気感がゆったりとのんびりと、心地よい町。

コンビニも腹を満たす食べ処もATM もスーパーもだいたいのものが駅前に揃っています。

だだ、駅に着いたらどこの飲み屋に寄っていいのやら、馴染みの店ができればいいのですがトコトコと部屋に帰る優等生になっています。


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世の中で一番嫌いなこと、引っ越しと結婚披露宴と歯医者。

もう,嫌だ。

初めて実家から離れ移り住んだところは松田優作の " 探偵物語 " に出てきそうな古く錆びれた鉄筋3階建ての部屋、2K 風呂なし。
歩いて一分のところに上原湯という銭湯があり、優雅なお風呂事情だった。
最高な20代の住み家。家賃4万2千円。

次に移ったのが陽当たりの良いハイツ。
しかし、下の階(一階)の住人たちに苦労した。 朝と晩はお経と、とんとこ木魚?やら鐘がなる。
大家さんに苦情を言ったら「なるべく小さな音でと言ってあります」『どこが小さいんじゃ、私はもうお経を暗記しているぞ』

宗教さんが引っ越したら、角刈りの自衛官か寿司屋の板前さんにしか見えない強面が移ってきた。
この目付きの鋭い角刈りの兄さんは週末になると、電話一本でやってくる若い男の子との逢瀬、「あっ、初めまして・・」の声が毎回聞こえた。
「おっさん、変な声を出すんじゃない!」と部屋を出て駅前の飲み屋へ3時間の避難。


そんな奇声や鐘の音を聞きたくないとハイツから6階建てのマンションの5階の3世帯の真ん中の部屋へ、平和な生活が10数年つづいた。
陽当たり抜群、駅から1分。行きつけの飲み屋もいっぱいできた。
昭和の終わりの鉄筋建築でもこの手のマンションは手抜き工事が多かったらしい。
私の部屋の左隣の音は殆ど聞こえないが、右隣は結構聞こえてしまう。

平和な日々を打ち壊す輩が右隣に入居。また鐘や訳の解らない音が聞こえてきた新興宗教くんだった。
夜中も早朝も彼らの道場の中にいるようだった。
3ヵ月間、精神的におかしくなって苦渋の引っ越し。「うるせえ!」と怒鳴りつけたが宗教くんは「えっ、僕なにもしてませんよ」

それから4年間、北向きの周りの音など全く聞こえてこないオートロックのマンションへ。
ホッとしたが冬の寒さと閉塞感で、性格が徐々に徐々に暗~く、躰の節々も痛くなってきた。「これじゃ、いかん!」


昭和40年代まではまだ畑が広がっていた長閑な町の新しい部屋へと希望に満ちてやってきた?
1階、燦燦と陽が差し込んでいる。
ただ、5m先はマンションの裏口となっていて通勤時間には住人たちがここを通り出勤していく。

初めての1階住まい。カーテンを開けて部屋の中でパンツ一丁ではいられない。
まあそれも良し。
ただ、太陽が差し込むだけで嬉しい。

長くなってしまいました。
ネットが繋がり、スーパーに食料の買い出しに、やっと自炊ができるようにようになりました。
普通の生活が始まったような気がします。


by w-scarecrow | 2018-05-14 20:16 | そのほか