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winter's scarecrow

政所茶

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カメラを持って南青山界隈を歩いているとき
いつも思うことがある

両手が空いているときに
和菓子屋の " 菊家 " に寄ってみよう

向田邦子さんのエッセイのなかに 『 水羊羹 』 というのがある

自らも水羊羹評論家と称していた

そんな向田さんが愛した" 菊家の水羊羹 "
まだ想いが募るだけで
一度も食したことがない



煎茶は静岡・安部川渓谷の "梅が島" の山のお茶が好きだったようだ







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滋賀県、琵琶湖の東部、鈴鹿山系に位置する政所(まんどころ)の新茶がやっと届いた。
秀吉が生涯愛したといわれる政所茶。 例年より2週間くらい収穫が遅れたみたいだ。

山深い急斜面にへばりつくように点在する茶畑、茶農家も減り、手摘みの人出不足と高齢化にも抗えず幻の茶と呼ばれていたが、そんな状況を授業で知った大学生たちが茶摘みボランティアで村にやってきたという。



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政所茶、実に甘みのある山のやさしい新茶、待ってた甲斐があった。 ほんと美味い。
水羊羹があればなぁ。


向田さんの父親は保険会社の転勤族だったらしい。 
彼女は東京の祖父母宅からの女学校通い。

たまに家へ戻る父親はワンマンで威張り散らし、怒鳴るどころか拳も飛んできた。
ところが亡くなった祖母の通夜に訪れた会社の社長に平伏している姿を見てしまった。

「私たちに見せないところで、父はこの姿で戦ってきたのだ」
その姿を想い起こすと、胸の中でうずくものがあったと述べていた。

向田邦子さんのドラマを観ると、そんな彼女の父親像のうずきが表れていたのかもしれない。

TV で舌足らずのお天気お姉ちゃんが、週末の東京は猛暑日だと溢れんばかりの笑顔で言っていた。
北陸では水羊羹は冬に食べるものだが、”菊家” まで脚を延ばしていい具合に冷やした水羊羹を食べることにしよう。
by w-scarecrow | 2013-07-05 08:19 | tea