2時間ばかりの帰省
涼しげなきんぎょ。
冷え冷えの水まんじゅう、あんず羊羹の爽やかな甘み。
お盆の時期の東京の道は交通量が少なく、自転車で走るのには心地よい。
旧山手通りも駒沢通りも、信号待ちのネコがゆっくりと歩いて横断できるくらいだった。
朝8時過ぎ、実家に着くと老母が植木に水をやっていた。
「見て、ほらキレイに咲いているでしょ、朝顔。M(孫) が持ってきてくれて・・・紫のも、ほらこっちエンジの花も。彼氏が車で待っていたみたいで届けたらすぐに帰っちゃったけど・・お茶でも飲んでいけばよかったのにネ」
毎朝、花開いた朝顔を見るのが愉しみみたいだ。
実家でTV を観ていたら五輪のアーチェリー団体で銅メダルを取った女性3人が出ていた。
日本チームのユニフォームを着ていなかったら、”道の駅”で、わさびのソフトクリームや静岡名物黒はんぺんを売っているお姉さんたちみたいだ。
とても70m先の小さな黄色い10点の的を射抜く闘う女には見えなかった。
女性は見かけで判断してはいけない。
最後の1秒で逆転をしたフェンシング男子団体。「わっ、赤いランプが点いた」と手に力が入ったがルールがさっぱり解らない。
後で聞いて納得、「すげぇ~」。
そのフェンシングチームはチームとしての絆を深めるため、皆で黒沢明の『七人の侍』を観たという。
それを提案したのはウクライナ人のコーチ、オレグ・マツェイチュク(松井宿と読むとgood )、もちろん20代の選手は初めて観る映画。
低迷した柔道もこの際、外国人のコーチを就けるのもいいのかもしれない。 武道の「道」、もしから彼ら外国人から見た「道」も捨てたものではないかもしれない。
実家からの帰り道、広尾1丁目から横道へ入り中学時代の通学路だった路を走った。
中学はさほど変わっていないが校庭はガラーンとして誰もいない。部活も夏休みはやっていなかった。
どこを走っても人が少なく、人恋しくなって南青山から表参道へ出た。
人、人、人、家族連れが陰を探して休んでいた。
「お茶受けに梅干しをつまんで、甘いものも少しは口に入れて、水分もしっかりと摂りなよ」と母に言ったら、「人の心配しないで・・・そう、お前(息子4人は皆、お前と呼ぶ)は水分を摂り過ぎなのかもね・・・お酒の入っていない物もちゃんと飲みなさいよ!」と言っていた。
by w-scarecrow
| 2012-08-16 19:27
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