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winter's scarecrow

あれは春だったね

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X'masの昨夜、街は意外と整然としていた。
とんがり帽子をかぶってヘベレケに酔っぱらっているオジさんたちの姿は遠い昔のこと。
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デパ地下だけはごったがえしていた。
新宿のしょんべん横丁は30代のカップルやグループが多く、結構、賑わっていた。
もちろん草食系カップルはいない。
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下北沢に来ても普段の夜と変わらず、若者カップルはファーストフード店やCafeへ。
オジさんたちが見当たらない。
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子供たちもマックやケンタッキーへ。

和食屋さんへ行った。
ここでは50代、60代の夫婦づれが何組か食事をしていた。
「六本木ヒルズあたりは若い人たちですごかったわよ」とオバちゃんは生カキをつっつきながら話していた。

私の学生時代のX'mas、男女10人くらいで渋谷の無国籍料理屋でワイワイやっていたことがある。
この日ばかりはとワインやHeineken Beerを呑んでスペアリブやカタツムリを食べて、普段呑み慣れないものや食べ物を食べたので変な酔い方になって、悪酔いして・・・。

「もうすぐ、アパートだから我慢しろ・・」
「もう、無理。ここで寝る、大地と寝る・・」
「折角のコートが台無しだぞ。泥だらけになっちゃう・・いいから起きな、車も来るし」
「大地になる・・オエッ・・」
「その水は飲んじゃダメ! 猫よけのペットボトルだぞ!いいから立って」
「わたしは水になるっ・・オエッ」
そんな夜明け前のよくあった光景。 

若者たちのこんなおバカな光景は街では見れなくなってきたのかもしれない。 

奥田英朗の小説『東京物語』は名古屋から出てきた大学生の80年代の青春が描かれていた。
Eric ClaptonもTom Waitzも素通りしてしまう退屈な街を捨て、憧れの東京へ。
ジョン・レノンの射殺、キャンディーズの解散コンサート、先輩への恋、失恋、酔っぱらいオヤジとの絶妙な会話。
ケイタイのない時代の人との出逢い、係わり、いろいろなものに影響を受け、つまづき、名も知らぬ人の言葉に救われる。 
誰もが通ってきた時代を風のように綴っていた。
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ケイタイが心を通わせるツールになった時代に育った彼らの青春。
覗いてみたい気もする。

それにしてもオジさんたちはこの惑星のどこにいるんだろ? 街に出ようぜ。
by w-scarecrow | 2009-12-26 18:46 | 散歩