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winter's scarecrow

holy night

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年に数回、観たくなるDVDがある。

数年前にNHKで放送されていた『喜びは創りだすもの ターシャ・テューダー 四季の庭』をDVDに落としてある。
デパートでもターシャの企画展が催されていたが盛況だったらしい。

花屋には御榊を買いに行ったことくらいしかない私だが、野に咲く花を見たくなることがある。
亡父の墓前に巣鴨駅前の西友の花をたむけている私でも花の香りに包まれたいときもある。

このDocumentaryは何度観ても映しだされる花々に感嘆し、ターシャのゆるやかな日常に身を置き、絵本作家である彼女のスケッチに、忘れているものを想い出させてもらっている。

電話器の発明者グラハム・ベル邸の庭に咲いていた中国原産のバラ 『Father Hugo's Rose ロサ・ユーゴニス』を見た3歳のターシャは可憐に咲く一重の黄色いバラに感動し、いつか種を蒔く人になりたいと思ったという。
ベルの家には電話はあったのだろうか・・。

ターシャの庭は何代にも渡って受け継がれた花々と野草が隣り合わせで咲いている。

アメリカ東部、New Englandの豊かな自然のなかでターシャは相棒のコーギ犬、母親代わりの鶏やハトたちと暮らしている。
物に溢れた世の中とは別世界のold americanな楽園に暮らす。 

『種を蒔く人』になった彼女はシャクヤクが大好きだという。
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毎日、午後4時半になると愉しみなターシャのtea time。

           「この世界にはよく見ると不思議なもの、面白いもの、美しいものがいっぱい、いっぱいある。
           コマドリの声、ローズマリーの香り、流れる雲、枯れ草だって目を愉しませてくれる。
           その小さなダイヤモンドの輝きに気がつかないでいるのはもったいないでしょ。
           だから、ゆっくりとお茶を味わうの。
           生きているだけでありがたいと思えるから・・」

ひいおばあさんから譲りうけた少し欠けたtea cupを片手に、ターシャは庭の向こうを眺めている。
庭づくり、料理の秘訣は?と訊かれると「近道を探さないこと」。

京成バラ園に黄色い花を咲かす『ロサ・ユーゴニス』があるらしい。
いつか訪ねてみたいと思う。

すぐにシュミレーションを描くのだが、ダメだ京成線沿線は昼間っから営業をしている飲み屋が多い。
あの沿線は平成になって21年たっても未だ昭和85年のままである。
肉豆腐や牛スジの煮込み、おでん、ぶり大根・・暖簾をくぐらないわけがない。
グラハム・ベル邸の庭に咲いていた淡いバラを見に行ったのに、あそらく隣りに座ったオヤジの学童疎開の話か集団就職の話を聞かされ、いっしょになって ♪ああ、上野駅♪を歌っているに違いない。

holy night! God bless us.
by w-scarecrow | 2009-12-23 17:53 | tea