winter's scarecrow

この世にいっぱい咲いてる花

二日酔いの朝、カメラをぶらさげての散歩。
ウォーキングで残った酒気をとばす。 柑橘系のものをお酒に入れて呑んだ次の日はきつい。
e0158857_1852891.jpg

昨夜、隣に座った30代のスーツを着た男二人。
今風の髪をちょっと立たせた男と鉄下駄のような四角い顔の男。
"公園と裸"、"豚インフルエンザ"と一通りの時事ネタで話が弾んでいた。
「最近よ、金がないから朝、昼、晩と牛肉ばかり。そろそろ飽きてきた」
「ずいぶん贅沢な話じゃん」
「マック・モーニング、昼は吉牛、夜はコンビニの焼き肉弁当、お前はいいよな、自宅で」
「どうした?あの好き嫌いの多い女の子」
「それがよ、なんか変わっている子なんだよ。宗次郎のライブに行きたいらしい」
「宗次郎ってオカリナの?」
「そう。オカリナが趣味なんだって。オカリナの話をするときはイキイキとしてるんだよ。長いんだ話が」
「いいじゃん、二人で♪コンドルは翔んで行け♪でも合奏すれば・・・」
「なんか、恐くない!?」
「オカリナじゃなくてフルートだったらいいのかよ」
e0158857_1830699.jpg

なかなか、いい掛け合いで横で聞いていて楽しかった。 オカリナの女の子を一目見てみたくなった。
私も学生時代、後輩の女の子に千羽鶴をもらったことがある。 どこも悪くないのに、ピンピンしているのに。
変わっていた。
数年後、誘いを受け、怖々と会ってみたら見事にジュリアナ系に変身していた。
女の変り身は速い。

10日ほど前に"定額給付金"の申請書がポストに入っていた。
案内書にざっと目を通し、保険証と通帳をコピーをして歩いて20秒のところにある郵便ポストに投函。
10分もかからない手際の良さ!
「そんな、さもしい金なんかいらない!」、「母子家庭や僻地の医療にまわせ!」とか2~3時間はこの問題について不満を語っていた。 この変わり身の速さ。
なんて底の浅い男なんだろうと自分を戒めながら、dinosのカタログを捲っている。
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-04-28 19:12 | 散歩 | Comments(7)

Open to Love

いちばん好きな俳優はと訊かれたら、Sam Shepard(サム・シェパード)と答える。
『天国の日々』、『ライトスタッフ』、『カントリー』、『パリ・テキサス』では脚本で参加している。
アメリカの広い荒野が似合う俳優が少なくなってきた。 ストイックで孤独感を感じられる風貌、一途で無口。 
S.Shepardの演じるという余計なものを削ぎ落した存在感はすごい。  
テストパイロットたちの空の閉塞感、恐怖感、家で待つ家族の不安を描いた『ライトスタッフ』。
S.Shepardの父親は戦闘機のパイロットとしてイタリア戦線に従軍している。 母親は彼を連れアメリカ中の空軍基地を転々としていたらしい。 映画のなかの家族と彼の生い立ちが重なっている。 
Samは1963年、ケネディー暗殺の年、N.Y.でオフ・オフ・ブロードウェイの盛隆が高まり始めたころに有名なJazz ベーシストのCharles Mingusの息子のJr.(L.A.時代の幼馴染)を頼りにN.Y.へ降り立った。
"Village Gate"という名門Jazz ClubでMingus Jr.とともにボーイとして働くようになった。

同じころN.Y.でSamと同じ異端児のpianist,Paul Bleyも新しい活躍の場を求めていた。
jazz sceneもマンネリのハードバップからの変革のころ、SamとP.Bleyの接点がVillage Gateにある。
e0158857_13151195.jpg

Open to Love

Paul Bley (piano solo)


Recorded 1972.9.11 ECM RECORDS.



Paul Bley (ポール・ブレイ)
1932年、カナダのモントリーオール生まれ。
1953年、"Introducing Paul Bley"でCharles Mingus,Art Blekeyとのトリオ・アルバムでデビュー。

彼のアルバムはreleaseするたびに感じる風景が違うことが多い、出来不出来だったり選曲、構成、producerの違いによっても印象が変わってくる。
このアルバムが発表された'70年代、ECMのマンフレッド・アイヒャーとの出会い。 このころが一番安定した作品を送り出している。

研ぎ澄まされた一音一音の余韻、軟らかなメロディーラインに鋭く切りこんでくる強い波、耽美的な旋律。
春の朝に聴きたい piano soloである。

Sam Shepard著、"Motel Chronicles"で彼の大好きな叔母さんの口癖が書いてある。
「暑い日にはマヨネーズは毒だと、僕のおばさんが教えてくれた。
それから札入れを持たずに外出してはいけない。
事故にあったときに死体を確認できないからね」

私がアメリカで暮らすことになったとき、旅立つ日に玄関先で母が言った。
「お前、何か大事な忘れもんをしてないかい?
ほら、ハンコ! 向こうで郵便局や銀行に行ったときに困るだろ・・・」

母はその日のために、ちょっと高そうな実印を作ってくれていた。
「向こうでハンコは・・・」 返す言葉をのみ込んだ。 「ありがとう!」
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-04-26 14:07 | music | Comments(4)

紐解くとき

先日届いた山の幸。
e0158857_1044913.jpg

                                   コゴミ

雨上がりの東京、今朝はすでに19°Cの暖かさ。 最高気温は25°Cになるという。
新緑が目にやさしく映る季節になってきた。
♪when I was small and christmas trees were tall♪
THE BEEGEES "First of May" (ビージーズ”若葉のころ”)をつい口ずさんでしまう。

ふるさとからの荷物を紐解く、友人の手。
米、みそ、サラダ油、乾麺、お茶、さばや鮭の缶詰、蚊取り線香、下着や靴下。
「こんなに送ってきて、こんなもん東京で買えるだろうに・・・」
ふるさとのご近所の食料品兼雑貨店がそのまま段ボールに詰まっている。
照れ笑いを浮かべながら箱を閉じていた。
4畳半の狭い部屋の片隅に、彼の母親の想いが置かれていた。
学生時代、そんな友人たちを羨ましく眺めていた。
e0158857_1051837.jpg

                               アスパラとウド

箱を開けると大和の里の恵みがいっぱい詰まっていた。 木や空や清流の醸しだす音。
学生時代の彼らも、こんな想いで荷物の紐を解いていたのかと知る。
たくさんの山の恵みを摘んでくれた汗と心づかいに感謝。
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-04-22 09:14 | 食 + うつわ | Comments(10)

vitamin

e0158857_15432615.jpg


使いこまれたエスプレッソメーカーで淹れた一杯、Paul Bleyのpiano soloを聴きながら飲む。 
陽が射してきた、絶好の自転車日和である。 
今日は神宮外苑を走ってこよう、帰りに"SHIZEN"にも寄ってみよう。


e0158857_15545791.jpg


熊本で作陶されている原田真穂さんの練り上げのデミタスカップ&ソーサー。
春の日にぴったりの配色とデザインパターン。 
原田さんの緻密なパターンは織物を想わせる作品も多い。
眺めているだけでもこころのビタミン剤になる。


e0158857_1635474.jpg


井の頭通り、大山交差点近くにある"Le Pommier" <ル・ポミエ>のシャモニー。
「このモンブランをください」と言ったら、「はい、シャモニーですね」と返ってきた。
山ではなくモンブランの麓の町の名前で呼ぶんだ・・・。 「モランボン」と間違えなくてよかった。
 ◆頁topの写真のケーキは"キャラメル・サレ"

お店はフレデリック・マドレーヌさんというフランス人のパティシエが営んでいる。
パティシエになるべくしてなった美味しそうな名前である。
マドレーヌさんはノルマンディーのカン生まれ。 
ノルマンディーといえばNormanスカンジナビアの人々が移り住んだ地方。 ケルト文化も残っている。
マドレーヌさんもラテン系のフランス人とは少し違った雰囲気がある。 バイキングだった頃の名残を感じさせる。

ノルマンディーのドーヴィルという避暑地に滞在したことがある。
クロード・ルルーシュの出世作『男と女』のアヌーク・エーメとジャン・ルイ・トランティニャンの二人が歩く、どこまでもつづく砂浜のシーンがある。 フランシス・レイ作曲の有名なスキャットが映画では流れていた。
私が行ったのはバカンス客のいなくなった初秋。
映画と同じ長くつづく砂浜を歩いた。 吸い込まれるような空と海と砂浜の多次元の情景。
ドーバー海峡は厚い雲に覆われ時折、太陽の弱いビームが海原を射していた。
まさに映画のシチュエーションそのものだった。 新婚旅行はここにくると決めた。
緯度が高くてぶどうには適していない土地。 りんご畑が広がっている、そのりんごの殆どがシードルやカルヴァドスになる。
ぜひ、また訪ねてみたい初秋のノルマンディー。

原田真穂■ 1978年、東京生まれ
         2001年 武蔵野美術大学工芸工業デザイン科卒
     Cup: w.6.1cm h.5.3cm Saucer: w.9.6cm h.1.8cm
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-04-18 10:24 | うつわ | Comments(11)

これから

e0158857_2142347.jpg

   
                 わたしは生まれてしまった
                 わたしは途中まで歩いてしまった
                 
                 わたしは あちこちに書いてしまった
                 余白 もう
                 余白しかのこっていない

                 ぜんぶまっ白の紙が欲しい 何も書いていない
                 いつも 何も書いていない紙
                 いつも これから書ける紙
                 (書いてしまえば書けないことが 書かないうちなら書かれようとしているのだ)
                 
                 雲にでも みの虫でも バラにでも
                 何にでも これからなれる いのちが欲しい

                 出さなかった手紙
                 うけとらなかった 手紙が欲しい

                 これから歩こうとする
                 青い青い野原が欲しい

                吉原幸子(1932-2002)詩集より 『これから』 


麻布十番から渋谷行きのバスに乗った。
初夏を想わせる日の昼下がり、バスは空いていた。
斜め向かいの席に、そろそろ臨月を迎えそうな女性が座っていた。
左手に携帯を持ちながら、睡魔にあらがうこともなく、スヤスヤと夢見ごこちに眠っている。
一見、安室ちゃんかアユのファンのようないでたち。
携帯のストラップに木で作られた小さな将棋の駒がぶらさがっていた。 「王将」や「歩」とは書かれていない。
「愛」と朱色で彫られていた駒。

まだ、あどけない顔をした妊婦、これから少女から母へと脱皮をしていかなければいけないのかもしれない。
刻まれた「愛」、それだけでいい。 今の少女さをそっと残して。
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-04-15 22:58 | | Comments(2)

Akihiro NIKAIDO Ceramics Exhibition

e0158857_18562533.jpg

二階堂明弘 作陶展
 
4/16(木)~4/25(土)  <18,19,25日作家在廊>
12:00~18:30 ◆20日休廊  最終日は17:00終了

CONTRASTO GALLERIA  www.studio-vita.com/galleria/
東京都文京区大塚1-1-3 TEL: 03-5940-6771

二階堂さんの酒器とそれにまつわる皿などが展示されます。
18日は17:00よりGalleryがBarに変身するそうです。
お酒を愛する方、二階堂さんの季節の変化、表情豊かな大地を想わせるうつわでお酒やお茶を楽しんでみてください。
手にとってみると作者の想いが、伝わってくるうつわです。

今日は小雨の中、神楽坂・飯田橋界隈を歩いていました。
花の名をほとんど知らない私でも、真っ赤なつつじに心惹かれます。
道路際の植え込みにでも、たまに見ることがあります。 
今日も見つけました小さな赤いつつじ。 どんな環境のなかでも明るく可憐な姿で咲いています。 
清々しい気持ちでタケノコと玉こんにゃくを買って家路につくことができました。
つつじの花言葉を調べたら、「地団駄を踏む」「節制」。 ズシッ。
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-04-14 19:47 | うつわ | Comments(2)

豆腐屋さん

e0158857_13555139.jpg
大好きな豆腐。 毎日でも食べたい豆腐。
井の頭線池ノ上駅から歩いて1分のところにある池田屋豆腐店。
20数年間、3度引っ越しをしたが、池田屋さんに通いつづけている。

2月頃、「しばらくの間休ませて頂きます」の張り紙。
ショックだった。  食生活クライシス。
70歳近くのご夫婦でやっているので、どちらかの躰の具合が悪ければ臨時休業もあるのかもしれない。
早朝からの水仕事、1丁¥150の豆腐。
どこの豆腐屋さんでも後継者が少なくなっているのは無理もないことかもしれない。

堅豆腐、乾燥豆腐は別として一般的な木綿豆腐は味や堅さ形は地方それぞれでお店によっても違う。
東京の豆腐屋さんも木綿豆腐は店それぞれ、やわらかめで絹ごしにちかい木綿が多いような感じがする。

余程のことがない限りスーパーの豆腐は買うことはない。 油揚げ、生揚げ(厚揚げ)、がんもどきは手作りの豆腐屋のものには及ばない。 絹ごしだけは少しだけ許せる。

先日、池田屋さんが久しぶりに営業を開始。
おじさんもおばさんも元気だった。 その晩はもちろん湯豆腐。
1丁¥150でなく¥250でも構いません、美味しい豆腐を作りつづけてくれればと願う。

横浜Baystarsが6連敗後の初勝利でやっと一息。 胃に良くないチームをもう30数年応援している。

金曜日にいつものように病院へ胃の薬を取りに行ったら、「Wさ~ん」と太い声。
栄倉奈々似の薬剤師さんがいなかった!
金正日に似ている年配女性の薬剤師さんだった。 「お大事に!」 ガクーッ。
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-04-11 14:50 | 食 + うつわ | Comments(6)

瀬戸内からのおくりもの

山口県に住むMさんから春の便りが届いた。
e0158857_1193938.jpg

"タコとトマトのジェノベーゼ"、"セリの胡麻和え"、"葉わさびの醤油漬け"、"タラの芽"
そのほかにもワタリガニ、グリッシーニ、かまぼこ、採りたてのトマトや玉ねぎ。
冷蔵庫が手作りの料理や野菜で埋まってしまった。
扉を開けるだけで家庭の団欒の和らぎを感じる。

料理を作るのは好きだが、どうしてもご飯のおかずが中心になってしまう。
7人家族+祖父母+下宿人の家庭で育った。
多い時は11~12人くらいで食卓を囲んでいたので運動部の合宿所みたいな雰囲気。
当然、育ち盛りの男ばかりなのでボリュームのある料理ばかり、母親の味というものが漠然としていて解らない。
母は料理が苦手である。
隣のおばさんがお裾わけで持ってきてくれる料理がトビッキリ美味しかった。
「Wちゃん、うちの子になる?」とよく大人は訊いてきた。
そのときは間髪入れず「なる!!」と答えていた。

今夜は目黒川の散り際の夜桜散歩に誘われた。 いただいた葉わさびでおむすびを作っていく。

Mさん、いっぱいありがとう! ぶち旨かったけんね。
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-04-10 09:04 | 食 + うつわ | Comments(6)

大谷雅彦 白萩湯呑

e0158857_19304419.jpg
萩の中堅作家、大谷雅彦さんの桜の花を想わせる湯呑。
1963年生まれ、山口美術短大時代から、独創性が注目されていたという。
52歳の若さで亡くなった三輪榮造氏の内弟子として10数年を過ごす。
三輪家といえば白萩、その伝統的な技術と三輪家のもつ現代的な感性を自身のなかで昇華されてきたのかもしれない。

"一楽、二萩、三唐津"と茶人たちから愛されてきた萩の茶碗。
400年もつづく萩焼の歴史、伝統を守りつづけてきたというより守られつづけてきた。
それ故、別な世界観がなかなか生まれてこなかったのかもしてない。
吉田松陰が萩を起点として塾生が集い、そこから巣立った立派な若き志士たちが日本をぶち壊した、そんな土地柄なのに。

そんな中で大谷さんの作品はその基軸を破る素養を感じ取れる。
この湯呑は濃いめの白の釉薬がかけられ、薪窯で焼成するときの薄紫色、ピンクに近い色の窯変が雪解けの大地に桜の花が散ったような景色をみせている。
大谷さんの他にも濱中史朗、金子司氏など若い萩の作家の作品はスタイリッシュで面白い。

朝起きたときのほうじ茶は萩の大きめな湯呑で飲む。 触感が手に優しい。
日本茶を飲ませてくれる専門の喫茶がいくつかあるが、お客さんをもてなすときは萩の汲出が一番安らぐのかもしれません。

今日、電車のなかで制服を着た女子高生が飲み終わったペットボトルを座席の下に置いたまま降りようとしたところ、20代中頃のエビちゃんみたいな今風な子が「ほら、忘れもん!」と突き出した。
格好よかった~!
私はただ見ているだけ。 女は度胸、坊主は読経!
写経、始めよっと。

大谷雅彦 白萩湯呑  口径: 8.2cm 高さ: 9.0cm
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-04-06 21:23 | うつわ | Comments(6)

かめ

Rie fuの新曲"PRESENT"がFMから流れている。
♪ いつかより今を見て どこかよりここに居て ♪  Rie fuの歌声が春の夕暮れに溶けてゆく。
e0158857_0333026.jpg

うちの近くにある洋風な木造平屋建ての家。 この日を待っていたかのように花が咲き乱れている。
米軍基地のそばでよく見かけた白いペンキで塗られた小さな家。
私の育ったところも米国の軍属や大使館員が多く、外国人住宅のペンキの白さが眩く映っていた。
e0158857_044422.jpg
今日、西荻窪近辺を歩いていたときに目にとまった2階家の窓。
隣町には赤と白のストライプの楳図かずお邸"まことちゃんハウス"がある。

movieのカメラマンをやっている友達がいる。
仕事が一本終わると季節によっては沖縄、オーストラリア、ミクロネシアとカメラを持って旅にでる。
ウミガメの産卵を撮るのが彼のライフワークである。
「ファインダーを覗いていると涙で霞んでくるんです。感動ものですよ」と、いつも静かに語っている。
ウミガメも産卵しながら涙を流すという。

先月、彼に第一子が生まれた。
「やはり出産はカメラに収めたの?」と、訊いてよいのか迷いながら訊いた。
「うちのかみさん、確かに丸っこいですけど卵で産む訳じゃないですから・・・」
あれだけウミガメの産卵を撮っているのだから・・・と決めつけて考えてしまっていた。

出産祝いに亀屋万年堂ではなく、"うさぎや"の甘さ控えめのどら焼きを送ることにした。
うさぎやのある阿佐谷まで春の陽をいっぱい浴びながら亀のようにトコトコと歩いた。

実家に寄ったときはいつも、ゆったりと脚を伸ばしながら湯ぶねに浸かってくる。
先日、風呂場で資生堂の"TSUBAKI"のシャンプーとコンディショナーが紅色に輝いていた。
「・・・・!?」
次兄と80を過ぎた母の二人暮らしである。 「誰が・・・?」
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-04-04 01:13 | 散歩 | Comments(6)

過つ

年が明けて3ヶ月が過ぎようとしている。
時が「過ぎる」、時を「過つ(あやまつ)」、同義語なのであろうか? 

初詣で「今年こそは魅力的な女性と出逢うことが無いように!!」と安産祈願で有名な大宮八幡宮で神様にお願いをしてきた。
今のところ功があるみたいだ。
仕事ではいつも綺麗な人たちと一緒に仕事をさせてもらうが、あくまでも仕事。
家に帰ってからは録画をしておいたNHKの仏像100選やBS-iの美の京都遺産とかお寺と仏像ばかり観ている。
お香でも焚きたいが煙草をすっているので意味がない。 
食事は肉食を控え湯豆腐やおからや海藻類、お麩の味噌汁と離乳食みたいなものばかり食べている。
おかげで20代の体重へと戻りつつある。
週末は陶磁器の個展に行ったり、デパートの物産展へと足を運ぶことが多くなってきた。 
陶石や土、地方の地産品、興味が自然から生み出されものへといっている。
こんなストイックな日々がいつまでつづくのであろうか・・?!

春風を感じるようになってきてから、少しづづほころびが出始めてきた。
「Wさん、胃潰瘍の薬は一日一錠なので1ヶ月分を出せますよ?どうしますか?」と栄倉奈々似の薬剤師さん。
「2週間ごとに取りにきます!」 (できれば1週間おきでも・・)
さんまだったら「一目惚れにきく薬もいっしょに」と言っていると想う。
そろそろ離乳食や石や泥や仏さんに疲れてきたのかもしれない。 旅に出なければ。
e0158857_19284976.jpg
 
TVの料理番組の助手をしていた米倉涼子似の友人の奥さんからもらった包丁の刃がボキッと欠けてしまった。 
20年も使いつづけていた切れ味の良い包丁だった。 感謝。

昨年、包丁を買わなければならず、「包丁だったら大阪の堺!」と検索し始めた。
堺の包丁の歴史、鋼の種類と特徴、それからなるべく小さな町工場で昔ながらの技法で、爺さんがシミジミっと作っている包丁。
このお勉強の時間がこの上なく楽しいのです。

ペティーナイフは藤井刃物製作所, HPはあるのに注文はFAXでしなければいけない。
発送の件で電話をしたら、河内弁のおじさんがでてきた。 東京弁と似ていて少し巻き舌のぶっきら棒な語り口が心地いい。
毎日、使っているのにステンレスの刃に刃こぼれもない。 すごい。
三徳包丁は森本刃物製作所、こちらは切れすぎて怖いくらいだ。 ともに堺の伝統職人の技である。

そろそろ湯豆腐の時間がきた。
そうだ写経を始めよう。
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-03-30 20:22 | もの | Comments(6)

おぼろげ

e0158857_20222517.jpg

春がやってきた。
春の薫りにさそわれて東大駒場キャンパスを通りぬけて帰ることにした。
e0158857_20231277.jpg

春休みのせいか学生の姿は少ない。
生まれ初めて満開の桜を見た赤ん坊が泣いている。
e0158857_20264425.jpg

大学の生協は電化製品から下着までなんでも揃う、本屋は特に充実しているので助かる。
e0158857_20285220.jpg
e0158857_20291275.jpg
e0158857_20293181.jpg
e0158857_20294649.jpg

ワンタンを作ろうと東急フードショーへ寄り、"八幡製麺"のワンタンの皮、芝えび、出汁をとるための鶏の手羽先を買う。
東急のれん街の鶴屋吉信で"花筏"と"春の川"を買う、桜餅は今度にした。
e0158857_20365135.jpg

日本各地の新聞社にweb新聞がある。
地方それぞれの今が見れて結構楽しい。 今は桜の情報が満載だが普段は地元で行われたイベントの記事が多い。
キャンプ場に石窯ができピザ作りの教室がひらかれたとか、福井新聞では新米の女性警察官が格闘の末、窃盗犯を逮捕した記事が載っていたりする。
信濃毎日新聞では蕎麦処だけあって蕎麦情報とPRに力をいれている。 各地の特産品のコーナーを設けているところも多い。
面白くないのは社説で「地方経済の活性化を考える」風なものばかり。

その中で"宮崎中央新聞"の「こころに残った言葉」という欄は面白かった。
精神科医や歌人の言葉が興味深い。

ソメイヨシノの花びらの色がだんだんと白っぽくなってきたように感じる。 淡いピンクの花だったのに。
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-03-27 20:52 | 散歩 | Comments(10)

芋ロック

e0158857_20132599.jpg

宮崎県日南にある創業天保五年(1834年)の京屋酒造。
okoblogで紹介されていた甘藷(宮崎紅寿)を原料とした芋焼酎◆甕雫◆昨年の12月に予約をして先週、わが家に届いた。 辛子色の甕が南国日南の爽やかな陽光をイメージしてしまう。
900mlの半分ちかくを昨夜呑んでしまった。 ロックで呑むのに最適な焼酎。 旨い.
味は軟らかく女性的な感じがする。 摩訶不思議な風味であるが本当に呑みやすい。 翌朝に残らない。

信州で作陶されている江間廣さんの練込みのカップで宮崎の赤地鶏の炭火焼きを肴にいただく。
宮崎の中心街を歩いていると5分に一度は振り返るくらい美人が多い。 秋田の骨格のしっかりとした色白の美人とは違い、キュートなキリンレモンみたいな美人が多い。

WBCが終わり選抜高校野球、オープン戦と野球ファンには堪らない。
わが横浜Baystarsからは村田と内川が侍JAPANとして戦った。 村田の肉離れのアクシデントを忘れさせてくれる内川の活躍。 決勝でもくらいつくようなヒットを打ち、2度ホームベースを踏んだ。
村田は福岡出身、内川聖一は大分出身。 
内川の父親は大分では有名な高校野球の監督である。 国東高校では吉田豊、吉武とプロ野球へと送りだした。
内川は骨膿腫という原因不明な踵の骨が溶けるという奇病で大分工高時代に3回の手術を行っている。
高校時代は野球をしていたのは1年半に満たない。
それでも通算42本の本塁打を打っていた。 
内川の活躍する姿を見て、この優勝が内川の野球人生で最後の優勝でなければいいと願う。

PCのデータをやっと引っ越すことができました。 あのよく解らないPC用語は誰が考えたのかと腹がたった一週間でした。
今週は色鮮やかな一週間でありますように。
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-03-25 21:45 | 食 + うつわ | Comments(6)

ごちそうさま

e0158857_1855268.jpg
MCCの業務用のビーフカレー、840g。
楽に4人前はある。 800円くらいで購入できる。
牛肉を買うことを考えれば小家族には安くつくかもしれません。
これがなかなか美味い。

MCCは東海道新幹線開業当時からビュッフェに卸していたらしい。

列車に乗ったら"駅弁"を広げるのも楽しみだが、やはり欧州インターシティー・エキスプレスみたいにゆっくりと食堂車で子牛のブランケットでも食べながらアルプスの山々を眺めているのもオツだ。
もし、日本に豪華なビュッフェがあっても、多くの男たちは富士山や浜名湖を眺めながら、ハンバーグかトンカツ、うな重、カレーライスを頼むに違いない。
私はハンバーグ・カレー。
神田神保町は古本の街からカレーの街へと変わってきた。 カレー屋さんの数が圧倒的に多い。
インド・パキスタン・ネパール・スマトラ・タイ・エチオピア・英国カレーとどこから手をつけていいか迷う。

小学校2年の時に大学生の長兄が連れて行ってくれた渋谷・百軒店の"ムルギー", ビルマの戦地から帰還した先代が戦後すぐに始めたお店。
カレールーの中に具が入っていない。豚コマやでっかい野菜が入っていないのに驚いた。
今でもカレーが食べたくなると"ムルギー"か信濃町、慶応病院の前にあるタイカレーの"メーヤウ"に行く。
メーヤウは野菜の中に大根を加えて煮込むらしい。
甘くはならず味が締まるみたいだ。

新しく買ったPCにいまだデータをお引越しできずにいる。
"お引越しガイド"という本を買ってきたが、「戦争と平和」をロシア語の原語で読んでいるみたいで肩が凝りに凝る。
夕方、"日能研"のバッグを持ち、ワイシャツの前ボタンを一番上までしめた賢そうな小学生がテクテク歩いていた。
「ボク、6千円出すから、うちのPC見てくれない!エクレアもあるよ」と喉のところまで言葉が出てきていた。
誰かPCを見てくれないかと「PC出前」で検索したら、風俗のデリバリーばかり。

一昨日、朦朧とした頭でいつものように病院へ胃薬を取りに。
栄倉奈々似の薬剤師さんから薬をもらい「お大事に・・・」といわれ、「どうも、ご馳走さまでした」と応えてしまった。
先月も、TAXIでも降りるときに「ご馳走さん!」と言ってしまった。

機械に遊ばれているこの3日間、桜前線はそこまでやってきている。

"花に嵐のたとえもあるぞサヨナラだけが人生だ "  井伏鱒二
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-03-20 19:05 | 食 + うつわ | Comments(5)

風をあつめて

e0158857_0583465.jpg

春を感じた夕暮れ、代官山の西郷山公園。
この場所にきていつも口づさんでしまう歌があります。
"はっぴいえんど" 細野晴臣、大瀧詠一、松本隆、鈴木茂のメンバーでが'70年代にヒットさせた ♪風をあつめて♪
              
                街のはずれの
                背のびした路地を 散歩していたら
                汚点(シミ)だらけの 靄(もや)ごしに
                起きぬけの 路面電車が
                海を 
                渡るのが見えたんです
                それで ぼくも
                風をあつめて 風をあつめて
                蒼空を翔けたんです
                蒼空を

松本隆作詞の曲、何度も口ずさんでいるが歌詞の意味合いなど関係なく、想い浮かべる情景に酔いしれているだけ。
オリジナルより、玲葉奈のカバーしたものの方がしゃがれた感じでグッとくる。

'70年代の渋谷百軒店(小路の名)、その後のmusic sceneを支えた人たちが"喜楽"でラーメンを食べ、"ムルギー"でカレーを食べていた。 百軒店の定番。 
"Black Hawk" "BYG"などのロック喫茶、音楽の吹き溜まりの街。
20代の彼らはそこに吹く風をあつめていたのかもしれない。

PCが壊れる寸前です。 この2,3日に買い替えなければなりません。
奈良への旅が消えてしまいました。 こうして何年も想い叶わず、想いを遂げずにいます。
吉野の桜、いつか行きます。 散りぎわの桜ではなく、満開の桜を観に行きます。
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-03-16 02:43 | my back pages | Comments(2)

未だ見ぬ世界へ

一閑人 蓋置

e0158857_16512458.jpg


茶道具の七種蓋置の一つ、一閑人。
茶道では水を汲む柄杓を一閑人を横にして置く。 うちでは宝瓶の蓋を地に触れないように置いている。
笠をかぶり井戸を覗き込んでいる。 なにか落としたのだろうか?
閑人(ひまじん)が無心に中を覗き込む、その姿はゆっくりと流れる時のなかにいる安らぎを感じる。
井戸という見知らぬ世界への入口、異次元への畏怖、憧れ。

e0158857_1732795.jpg
 

でも後ろから見ると下着泥棒が民家の塀を懸命に登っているとしか見えない。
そう想ってしまう私は汚れているのかもしれない。 

七種の蓋置は五徳、唐三人形、三つ葉、かに、さざえ、ほやがあり中国では古来より縁起物として珍重されていた。 
美味しそうなものが多い。                    木村陶峰作 5cm x 3.7cm x 5.5cm

初代難波好陽 宝瓶(備前)


e0158857_17172129.jpg


難波好陽、大好きな備前の作家である。
宝瓶は一般的な急須に比べかなり小さな物が多い。 これが可愛らしいくて眺めているだけで楽しい。

e0158857_17221125.jpg

        横: 7cm 注口まで 8.5cm     高さ: 6.2cm


宝瓶(泡瓶)は取っ手のない、三角形の注ぎ口だけがついた単純な形である。
温度の低いお湯で淹れる玉露や高級な煎茶を飲むためのもので熱いお茶を淹れるには適していない。
もちろん私は普通の煎茶を淹れるのに使っている。

難波好陽さんは明治35年、岡山県備前・伊部の生まれ。
豊かな経験と繊細な陶技で細工物を得意としていた。 特に宝瓶。
昭和56年没。

この宝瓶も非常に薄く円筒形に仕上げられ、備前特有のさまざまな景色が楽しめる。
剛の松田華山(三代)、優美な難波好陽の二人の名工の宝瓶、備前は使えば使うほど表情を変えてゆく。

福岡ではソメイヨシノの開花宣言。
花粉症はピークのピーク、洗濯物は部屋干しでデスクの横の屑入れは東京都推奨の30ℓのポリ袋に変わった。
電話の着信に"杉山""桧山"の名前が出てくるだけでクシュン!
この時期に限って駅前でティシュを配っている人が少ないように感じる。箱ごと欲しい!トラックごと欲しい!
外国人が日本にきて驚くことの一つに"タダにもらえるティシュ"をもらわない人がいることと、TVを観ていると同じ日に同じタレントが何本もの番組に出演し、CMでも流れ、映画にも出演していること。
野球ファンとしてはアイドルがプロ野球の解説をすること、これだけは勘弁してほしい。
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-03-13 18:54 | うつわ | Comments(6)

レバーペースト

日本人が日常的にレバーを食べるようになったのは戦後の闇市かららしい。
東京では焼鳥屋という名の焼トン屋さん、大阪では放るもん=ホルモン焼が統制外の内臓をお店のメニューとして出してから一般的になったらしい。
月島では今でもレバーフライを売っている肉屋さんがある。
豚の肝臓だけでなく腎臓も家庭で食べていた。 今、想うと貧しくともバランスのとれた食生活だったのかもしれない。
私はボンカレーとチキンラーメン、駄菓子を栄養源として大きくなった。
e0158857_18132733.jpg

先日、亡父の21回目の命日なので実家にお線香をあげに行った。
鶏のレバーが苦手な母に豚のレバーペーストと軟らかなパンを買っていった。
「平田牧場というところの豚のレバーなんで大丈夫だよ」
「牧場・・・?」
「美味しい豚肉で有名なとこで、トンカツ屋もやってて結構人気があるんだよ」
「牛や馬が走りまわっているところが牧場で、豚なんかは走っていないだろ」
「・・・(確かに)」
「豚は養豚場!」
「クマ牧場もあるし、最近はダチョウの牧場もあるよ」
「・・・・・・!」

いつも変なところで話が停まってしまう。結局、養豚場を牧場を呼ぶのが納得がいかないみたいだ。
80代の母とのいつものキャッチボールがなかなか楽しい。

毎朝、6時過ぎになるとベランダから雀のチュンチュクという鳴き声が聞こえてくる。雀の目覚まし時計。
以前は賞味期限をとっくに切れたそうめんを細くちぎって雀に与えていたが、ある時から一袋¥98のイタリア製のスパゲッティーの乾麺を与えていた。
それ以後、うちに飛んでくる雀たちはすっかりItalianになってしまった。 雑穀米を皿にのせておいたら1粒2粒つまんで「なーんだっ」という顔をして飛び去っていった。

夕暮れの頃、一羽だけで飛んでくる雀がいる。ガラス戸の向こうから部屋の中を覗き込む。
2度ばかり部屋に入ってきたこともあった。
細身のシルエットといい、人懐っこいとこといい、あの雀は亡父である。
亡父は洋食はあまり食べなかったが、ナポリタンは美味しそうに食べていた。

平田牧場の三元豚のレバーペースト、あっさりとしたなかにもコクがあります。
[PR]
# by w-scarecrow | 2009-03-09 22:13 | 食 + うつわ | Comments(4)