winter's scarecrow

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一日 

日曜日は嫌いだった。家は兄貴たちに占領されていた。

サザエさん症候群ではなく学校へ行くのが楽しみだった。

小学校5,6年の担任は定年間近かだった藤田澄江先生。 先生の授業を聞いているのが好きだった。
先生の色んな経験談に聞き耳を立てていた。その言葉は今でも残っている。

『 銀の匙 』ぐらいしか読んだことのない私たちに、夏休みの読書感想文として井伏鱒二の 『 黒い雨 』を読まさせた先生の暴挙。

隣のクラスは新任の村中先生、美人だった。 体育の時間が楽しそうだった。 片目で校庭でポートボールをする隣のクラスの授業をそっと見ていた。


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日曜日の朝、昨夜割ってしまったマグカップの代わりに、食器棚の奥にあったムーミンのマグでエメラルド・マウンテンを挽いて飲む。

録画しておいた先週の " ブラタモリ " を観る。 桑子アナを見ているといつも平和な気分になれる??

冷凍のポルチーニ茸でリゾット作る、無心で40分近く手を動かしフライパンの火を見ている、頭のなかで整理できないことがあるときはいつも火の前にいる。

イタリア気分になった午後、近所の公園で開かれているフリーマーケットへ。
Y さんと女子3人が出店している。

「wさん、買ってって」「女装すんの?」
彼女たちのブルーシートに座り、いっぱい光合成をしてきた。彼女たちはすでにワインを呑んでいる、いくつになっても女三人寄れば明るい、明るい。 (私は昼間は酒を呑めないんです♪)

心地よい日曜日だった、部屋に帰りしばらく控えていた酒を呑もうと、色んな言い訳を今考えている。

呑もっ、サザエさんが始まる前に。 Jazz でも聴きながら・・。
by w-scarecrow | 2015-11-29 18:42 | そのほか | Comments(8)

さくらの物語

                  さくらはまだ咲いていませんが

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東京五輪招致エンブレムの " 桜のリース " をふたたび眺めながら想う。

さくらのアーチの校門をピカピカのランドセルを背負いくぐってゆく一年生。さくらの淡い花びらがひらひらと舞い祝福する。

車窓から皇居外堀に咲く夜桜を見やる、勤め人風なお父さん。
宴席の帰りなのか少し頬を赤らめシルバーシートに座り、膝の上には花束を抱えている。満足感と一抹の寂しさが映る最後の通勤電車。

奈良吉野山の古来桜が儚げに可憐に尾根から尾根へ、谷から谷へと見事なグラデーションで埋め尽くしている。
遠くに望む古のさくら、幾千のさくらの物語があったのだろう。

「さよなら」と「こんにちは」のさくらの物語。



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東京五輪招致エンブレムを作成した当時、美大生だった島峰藍さんのさくらをモチーフとした作品が決まったのは東日本大震災の年の秋。

五輪カラーの赤、青、黄、緑に江戸紫を加えた。

さくらの花を丹念に観察し、花びら一枚一枚に動きを取り入れたという。そんな花びらからは躍動感と江戸の粋が伝わってくる。

日本人の誰もが共感を抱き、自分のさくらの物語と重ね合わせたかもしれない。


新しい五輪エンブレムの一般からの募集が始まっている。以前の世界で7つの権威あるデザインコンテストで2つ以上の受賞歴があるという制限がなくなり、狭いデザイン界からの仲間内の選考委員も今度は経済界、スポーツ・芸能界などから選ばれた15~20人の選考委員で選ばれるという。

政府・役所が好きな有識者会議のようで、ある程度は出来合いレースの感も否めない。多すぎます顔見世の人が。

斬新なデザイン、artistic なデザインとは丸と直線の定規で描いたものなのか。今度はどんな視点で " 東京 " を審査をしてくれるのだろう。


島峰藍さんの描いたさくらリースのエンブレム、リースには再び戻ってくるという意味があるらしい。


劇作家・歌人・寺山修司の追悼集によせられた寺山の母からの亡き息子への言葉「五月に咲いた花なのに 散ったのも五月だった」

寺山の生まれた津軽に訪れる遅い春、弘前城の明媚な満開のさくらが散るころ、寺山は47歳の若さで逝った。


人の儚さ、人の美しさ、いくつものさくらの物語。
by w-scarecrow | 2015-11-27 09:14 | そのほか | Comments(0)

未来 ☆彡

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「憎しみという言葉を君たちにはあげない」

    先日のパリでのテロ、妻を失ったフランス人の夫がフェイスブックに綴った文章。

「怒りで応じてしまったら、君たちと同じ無知に屈することとなる」

    彼は1歳5ヶ月の息子と今までどおりの生活をつづけていくと誓う。

「この子がずっと幸せで自由に生きていくことで、君たちは恥を知ることになる」

    悲しみをこらえ幼子の人生を憎しみで押しつぶさないように、自分に懸命に言い聞かせているのだろう。


失った悲しみをまだ理解できない息子の笑顔、甘える姿、すやすやと眠る無垢な寝顔を眺めていたから自分を抑えることができたのかもしれない。



新宿駅南口から高島屋や向かう路にプラネタリウムのように輝くイルミネーション、LEDの光が蝶のように乱舞し目もこころも幻惑させられる。

小さいころに父が X'mas 前に買ってきたモミの木もどきに、線で繋がれた赤や緑や青の豆電球をぐるぐると巻いていた楽しさ、点灯したときの蛍の発光のような暖かな光のささやき。

そんなことを思い出しながら光の渦を抜けてきた。 

LEDの光り、すごく綺麗いだが、なにか突きはなされているようで美しくは感じない。

さて、夕飯だ。豆腐ときのこ、豚肉のうま煮。
by w-scarecrow | 2015-11-23 20:01 | そのほか | Comments(0)

いいな、こんなバイト ♫

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                 ☆ あったらいいな、こんなバイト ☆彡



                   伊豆の旅館で踊子になれるバイト

                   銀河鉄道でお弁当を売るバイト

                   蜘蛛の糸でセーターを編むバイト

                   羅生門で警備のバイト

                   雪国でトンネル工事をするバイト

                   走って疲れたメロスをマッサージするバイト

                   猫の吾輩を世話するバイト



ラジオから頻繁に流れてくるマイベストジョブのラジオ CM 、これがなかなかオモシロイ。

私だったら、

   白く輝く一握の砂を集めるバイト
   金閣寺の消防団のバイト
   なんとなくクリスタルを売るバイト

あと、展覧会で部屋の片隅の椅子にずっと座っているバイトもいい。


ジャスティン・ビーバーのボディーガードのバイトと、田中みな実(元TBS) の付き人だけはゴメンだ。


あっという間に日没が早くなってきた、「悲しい話は夜にするな、辛い話は昼間に話せばなんとかなる」と佐賀のがばい婆ちゃんが言っていた。

秋の夜は楽しく、悲しい話は酒と一緒に呑みこもう! だから酔うんだ
by w-scarecrow | 2015-11-20 20:10 | そのほか | Comments(0)

憩いの場

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大好きなパウンドケーキ、世の中にこれと茶碗蒸し、豆腐、牛乳だけしかなくても生きていける。

代官山、小川軒の横道にあるパウンドケーキ専門店・エニスモアガーデン


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                        マロンケーキ



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                        ラムレーズン


この店のパウンドケーキはどしっとした重量感ではなく、しっかりとした風味がありあっさりとしている。マロンには上質な仄かなバターの香り、ラムレーズンには、くどくない大人のテイスト。

他にも林檎、チーズ、黒胡麻、抹茶などがある。



私の朝のルーティン、6時起床、ほうじ茶を淹れる、胃の調子のよいときは滋賀の朝宮茶(胃弱の人にはもってこいの風味溢れる煎茶)を飲み、録画をしておいた番組を観る。

火野正平と一緒に旅したあとは、夕飯用の米を精米機にかける、そしてネットでまず横浜ベイスターズ関連のニュース、国内、国外のニュースとつづく。(経済面は生まれてから一度も開いたことがない)
これが私の朝の儀式。

世の中のお父さんたちはどうなんだろう?

一番幸せを感じる独居房(お手洗い)で朝刊を見るひととき。

もちろん Le Monde や Wall Street Journal を愛読する人はトイレで新聞を読むなんていうゲスなことはしない。

新聞の配達を頼む家庭は減ってきている。 お父さんたちの憩いの場所はどこに移ったんだろう?

「お~い、お茶!」と言って急須で淹れたお茶がちゃんと出てくる家庭は少ないと想う。

「冷蔵庫に入ってるんだから自分で取って」という会話になっているのかもしれない。

お父さんたちの憩いの場、ガード下の居酒屋。

ブラジル産の焼き鳥を頬張って、肉豆腐を頼んだら隣の席の女の子が「わ~、それ美味しそう!」ときて、「さすが目の付け方が Panasonic だね・・・違った Sharp だね」
と、おやじギャグで沈没して・・・憩いの場はどこなんだろう?

「奥さんたちはママ友とブラジル産ではなく、比内や大山地鶏、肉豆腐ではなく豆腐懐石や銘柄牛をランチで食べてますよ」とカウンターでひとりで憩ってるお父さんたちに声をかけたくなるのだが、お父さんは女房がなにを食おうが、この時間が至福のときなんだ。

がんばれ侍ジャパン!


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昼はcoco壱のカレーだった。3時を過ぎた。スウェーデンのアンテークカップでカフェタイム。
by w-scarecrow | 2015-11-17 15:46 | 食 + うつわ | Comments(2)

鳥のように ??

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                     あの青い空の
                       
                     波の音が聞こえるあたりに
                         
                       何かとんでもないおとし物を
                
                     僕はしてきてしまったらしい

                    
                     透明な過去の駅で
                   
                     遺失物係りの前に立ったら                                                    
                    
                      僕は余計に悲しくなってしまった



                                     「かなしみ」谷川俊太郎



" winter's scarecrow 冬のかかし " と名付けた Blog をはじめて8年目に入りました。

小学校6年生だった子が成人式を迎える年になります。

私の知らない風景のなかで生きてきた人、もしかしたら電車で隣に座っていた人、そんな人々からの温かなコメントを見ながら一日が終わる。

そんな素敵な7年間。 感謝です。


こころが少しばかり冷え込むとき、ハナレグミの ♪ 家族の風景 ♪ をグラス片手に聴きます。


ニュースを観るのが、聞くのがしんどい、ニュースさえ見聞きしなければ・・毎日そんな思い。

でも、今週は野生のランを髪に挿したアウン・サン・スー・チーさんの姿、凛とした風貌のなかに一筋の柔らかで強いビームが差しているようだった。
 
「正しい目的は正しい手段でしか達成できない」スー・チーさんの信条。

日本初の国産ジェット機 MRJ 、綺麗でしたね。 戦闘機のように着飾っていない、まるで越冬にきた渡り鳥のようなフォルム、恰好いいな~と眺めました。

ハナレグミの曲が殺風景な部屋に流れています。
by w-scarecrow | 2015-11-13 20:53 | music | Comments(8)

これぞワンタンメン!

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先週末、築地から佃島へ。

聖路加ガーデン下、佃大橋を望む土手でお弁当を食べている人々。サラメシ。

35年のローンを組んでウォーターフロントのマンションを購入した家族が、川向こうに聳えるわが家を目を細くして眺めながら、手作り弁当を食べているという構図を探したが、いなかった。


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途中、佃2丁目にある明治26年創業の豆腐屋「よこ井」で生揚げ(厚揚げ)と京がんも3ケ購入。
ここの生揚げは普通の2倍の厚さがある。旨かった~。


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月島へ。

長~い、もんじゃストリートがつづく。修学旅行生も多かった。

頭の中は、粉物ではなく昔懐かしい東京ラーメン(支那そば)、絶対どこかにある!。


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「あった~!」

もんじゃストリートの出口近くにあった " 中華・一心 " この店構えどう見ても不味い訳がない!

気分は 『 孤独のグルメ 』の主人公、井之頭五郎。

何十年ぶりに出会えた昔懐かし絶品のワンタンメン。「なんだ~このワンタンの旨さ!!」

鶏ガラ主体のスープに煮豚、シナチク、長ネギ、醤油の強さはなくさっぱりとしている。

麺もかん水の黄色くスベスベな細麺。

あまりの懐かしさと美味しさに、作ってくれたお母さんに「ほんと旨い!です」と3度言ってしまった。 




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絶品ワンタンメンに大満足をして、築地場外へ戻る。


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買い物客?の3分の2以上は海外からの観光客、カニやマグロ、干物を覗いているがツアーの途中で買う訳がない。
場外の店々は訪れる人は増えたが、売り上げは減っているのではと心配になる。

観光客の殆どが寿司屋へと流れていく。


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夕飯のおかずを何か買わなければ・・旨そうな大きなシューマイがあった。これでいいや、とよく見ると『 テリー伊藤 おすすめの焼売 』と書かれていた。 
「あ~ぁ」と財布をしまい、ぶらぶらと。

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結局、漬物屋で甘くなさそうな " たくあん " を選んでもらい、一緒に " 青とうがらしのもろみ味噌 " を買って帰る。

絶品ワンタンメン、また行こうっ!
by w-scarecrow | 2015-11-10 09:40 | 散歩 | Comments(2)

築地市場場内

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築地市場の場内、高校時代の3年間東急百貨店の魚屋でアルバイトをしていた時も、何度となく親方に連れてきてもらった。

親方のひとり娘の Y 子は同級生の遊び仲間。 娘の話になると眉間のシワがティラミスの断面みたくなってくる。

場内へ行ったときにまず驚いたことはおばさんたちの言葉が「てめぇ~」「そこのボンクラ!」
「ぐだぐだ言ってんじゃねえよ!」の男勝りの数々。

「すごいですね、おばさん!」「wよ、河岸では70を過ぎたおばさんでもお姐さんと呼ばなきゃいけないんだ。反対に60を過ぎたおじさんの使用人はいくつになっても若い衆」

「あのお姐さんたちは、乙女だったころもあったんだ。でも男ばかりの世界に入って、ちょっと厠へ行こうとしても男衆から卑猥なヤジを飛ばされたり、好奇の的になりながら、今や男を超えちゃって別な生き物になったんだ」そんなことを言っていた。

「wよ、客はカジキマグロって言ってけどそんな怪物みたな魚はいないから、ここではちゃんとカジキと呼べよ」

いっぱい教わった。 正月も毎年親方の家で新年会。娘の Y 子の着物姿に「似合ってんじゃん」と言ったら額がティラミスになっていた。



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映画の助監督たちは河岸勤めが多かった。

TVの仕事をすれば喰いつなげられるのだが、一途な映画人もいた。 私の周りの助監督は奥さんや彼女が医者だったり航空会社、広告代理店、看護師とパワー溢れる連れ合いが多かったので "芽の出ない役者と助監督" の定番のヒモ状態もいた。

先輩助監督の T さんは知的障害をもつ息子さんがいた。 感動した小説があると毎回、私に企画書を書いてくれと頼んでくる。
それを持って先輩の働く築地へ。昼には仕事が終わっているので二人で場外の飲み屋へ。

「wよ、ちゃんと本(脚本)だけは書いとけよ、監督になるのは才能ではなく、どう周りと立ち廻れるかだらTV の奴らでも馬鹿にしないで、ちゃんと懐へ入っとけよ・・」

自分の不得手なことを私に託したのだけど、私も先輩と一緒だ。

2週間で書き上げた企画書のお礼は築地の場外で消えていった。


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築地場内は奇妙な乗り物の " パタパタ " が縦横無尽に走っている。 決まりごとではないが場内の交通ルールのルーティンがあるらしい。

午前10時を過ぎた築地の場内は祭りのあとの淋しさみたいで、しみじみとくる。
by w-scarecrow | 2015-11-06 20:45 | 散歩 | Comments(4)

ウェブ晩酌

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前回のブログで「ありふれた朝、うれしい朝」と書いたその日、ショッキングな一日となってしまった。

夕方、自転車で住宅街を走行中、角を曲がろうとしたとき急に散歩中の犬が小走りに視界に現れた。
急ブレーキをかけ、ハンドル大きく切った。

犬は申し訳なさそうにシュンとしていたが、私は大きく滑り額から路上に。

額と頬からしみ出るように出血していた。「くそっ」と思ったが飼い主の女性が深津絵里に似ていたので「僕ももっとゆっくりと・・・」とモジモジ言っていた。

私の傷を見て「ほんとすみません!」と頭を下げている。「これしかないんです」と犬のうんちを取る袋を渡してくれた。
袋の紙の部分を傷口に当て自転車を押しながら人通りの少ない路を通って帰宅。

ハロウィンの日なら街を歩けるが、まだ傷跡が痛々しい。


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ひとり静かに呑む酒は苦みばしった中年の男が似合う。 これは昔のこと。

若い女の子でもテレビ相手に晩酌をしているみたいだ。ウェブ呑みも、ネットでコミュニケーションを取りながらのひとり晩酌。

「淋しかないか」と思うが 『 吉田類の酒場放浪記 』 を観ながら部屋で街の居酒屋気分を味わっている(私みたいな)おじさんも恰好わるい。

「××くん、遊っそぼ!」と小学生のときみたいに友人宅に行って「××くん、呑っもう!」と訪ねられればいいんだけど。

「あとで!」って奥さんか娘さんに言われるかもしれない。 

今日の東京は12月並みの寒さ、おでんが恋しい季節になってきた ??
by w-scarecrow | 2015-11-02 18:47 | そのほか | Comments(0)