winter's scarecrow

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♪ 色づく街 ♫

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紅と黄金色の街。

暖色のなかを往く人々の表情が温かく豊かに見える。 色づいた葉っぱの上を歩く散歩中の犬までもなにか楽しそう。

来週から師走に入る。

忘年会シーズンはもう始まっているみたいだ。
夜遅い電車に乗っても、千鳥足で降りるお父さんや寿司の折詰を人差し指で持っているお父さんも、「女房がなんだ!」と独り言を言っているお父さんも見かけなくなった。

              " どちら様?午前様だと言う夫 "
              
               " 赤ら顔 妻のツノ見て青くなり " <サラリーマン川柳より>


こんな平和な時代の密な家族の風景が見れなくなっているのかもしれない。


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中学校の卒業式後のホームルームで担任の先生が言っていた言葉がいまだに残っている。

「何を目指していくのか、何かを諦めなければいけない場面に出くわすことがいっぱいある、諦めることって勇気がいるし、それも大事なんだぞ」

古今亭志ん朝の " 大工調べ " の枕にもある。
江戸っ子は口は悪いが、腹の中には何もない、良い印象の一方、江戸っ子の粘りのなさという弱点が古典落語のなかではしばしば見えてくる。

目新しい初ものに飛びつく能天気さ・・・すぐに放り出す、諦めのはやさ。

さて何から諦めていこう。
by w-scarecrow | 2014-11-29 20:50 | 散歩 | Comments(4)

冬の雨は心底冷える

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           「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ   俵万智


寒い、寒いね、と誰かに話しかけたかったけど道ゆく人も冷たい雨風に身を屈めている。
晩秋の風景そのままの練り切りも買ったし、少し躰を温めてからバスに乗ろう。


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モス・チーズバーガーを食べながら、横から聞こえてくる会話にフッと笑ってしまった。

「16歳年下って、わたしと同じだもん。西島(秀俊)くん、なんでわたしと出逢わなかったんだろう」
可愛いらしいニット帽を被った、美術(アート)系の女子。

別れた彼氏の話題に進んでいく。 「突然、『今まで、ありがとう』って男が言うか?そんな台詞大嫌い・・」

私もそんな台詞、大嫌いだ。 普通は男の言う口上ではない。 

「今までありがとう。付き合った××年間のことは絶対に忘れない」

これは女の常套句、私も何度も今まで見たことない清々しさで、突然にお礼を言われたことがあった。



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話は恋愛と関連してお父さんの話へ。

「うちなんか大学2年まで門限は夜8時だったんだよ。信じられないでしょ。サークルの飲み会の時は2日前にお父さんにお伺いをたてるの・・・一度、12時を過ぎて帰ったら叩かれたんだ。もう頭きて『門限、門限ってわたしいくつだと思ってんの、門限って言ったってこの建売の家のどこに門があるの !? 』って言ったら、お父さん、すごい悲しそうな顔をしたの・・・」

モス・チーズバーガーも食べ終わり、リプトンの香りのない紅茶を飲み終わっても席を立てなかった。

きっとお父さんは門限のことではなく、35年ローン?で買った我が家(お城)を「建売」と漢字2文字で言われたことにショックを受けたのかもしれない。

人の失恋の話は蜜の味、モスバーガーで少し温まった。

和菓子の写真を掲載したのに和菓子の話はゼロだった。 風味豊かな滋賀の朝宮茶でペロっと食べてしまった。
美味しかった。

今日は11月26日、「イイ・ふろ」の日、ツムラの名湯めぐりの別府温泉の入浴剤で一風呂浴びようっ。
by w-scarecrow | 2014-11-26 20:04 | 食 + うつわ | Comments(4)

三軒茶屋

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三軒茶屋の国道246と世田谷通りに挟まれた昭和の香りがムンムンとする三角地帯にある点心専門店へ行った。
不味かったわけではないが、肉まんも他の点心も普通だった。 普通が嫌いだ。


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表参道から田園都市線に乗った、向いの座席に8人の乗客。
学生風、主婦風、おっちゃん、フリーター風、役所風、キャバ系・・・。全員揃って、思い思いのポーズでスマホをシュッ、シュッ。見事な取り合わせ。

探しものはなんですか 見つけにくいものですか まだまだ探す気ですか・・・・


私のウォークマンに入っている BUMP OF CHICKIN の " 天体観測 " の曲にも重なる。


             ♪ 気が付けばいつだって ひたすら何かを探している

              幸せの定義とか 哀しみの置場とか

              今まで見つけたものは 全部覚えている

              君の震える手を 握れなかった痛みも

              知らないものを知ろうとして 望遠鏡を覗き込んだ

              暗闇を照らすような 微かな光を探したよ・・・♪



と勝手に乗客の「探しもの」を妄想しながら駅に着いた。

探すことをやめたとき、なにかを見つけることがよくあった。



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何年も前からこの長崎ちゃんぽんの店が気になっている。皿うどんはどうなのかな?

師走のせわしなさが好きだ。 下北沢の居酒屋のおやじさんが晦日に配達される会津の突き立ての餅を一緒に注文してくれると言っていた。

早くお雑煮が食べたい!
by w-scarecrow | 2014-11-22 20:58 | 散歩 | Comments(0)

滑走路

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アメリカ北東部の小都市の空港、シカゴ行きのフライトの出発時間まで、長い滑走路を眺めていた。

小型機が何機か停留している。 

その機影の中から歩く人影が逆光でシルエットに映った。

牛皮のフライトジャケットを着たサム・シェパードが長い滑走路を歩いてくるような錯覚をよんだ。

フィリップ・カウフマン監督の映画 " ライトスタッフ " のテストパイロット役のサム・シェパードの無骨なアメリカ人と重なって見えた。




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Sam Shepard










初めてS.Shepardを観たのは敬愛するテレンス・マリック監督、リチャード・ギア主演の " 天国の日々 "
余命宣告をされた農夫役、その存在感に打たれた。

彼はピューリッツァ賞を受賞した劇作家、そして M. アントニオーニ監督の " 砂丘 "  W. ヴェンダース監督の " パリ テキサス " の脚本も書いている。
イリノイ州で生まれ、軍人だった父と家族とともに、サウスダゴタ、ユタ、フロリダ、グァムの米軍基地の街で育った。
死と隣合わせのテストパイロットのストイックさが彼の経験のなかの一頁にあったのかもしれない。

高倉健さん逝去のニュースで、私のなかでの数少ない名優サム・シェパードの画が甦ってきた。


東宝撮影所、健さんの出番前、持参のコーヒーを健さんに持ってゆくのが下っぱの私の役目だったことがあった。
健さんは「ありがとございます」と毎回、深くお辞儀をしてくれた。

実現はしなかったと想うが福岡の炭鉱町で育った健さん、生地ではないが博多どんたくに全霊をかけるおしゃべりな魚屋の親父役で軽いコメディーでも演じてほしかった。

健さんが書いたエッセイ集、" あなたに褒められたくて " 小田剛一(本名)少年の厳しかった母親へのオマージュに感じた。

「不器用ですから・・」の台詞をお借りしたことがあったが、「w さん、わたしよりずっと器用じゃん」と軽く返された。
by w-scarecrow | 2014-11-19 21:24 | 映画 | Comments(9)

今日という日

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昨日、昼下がりに渋谷からバスに乗った。
途中、渋谷区役所前から5,6人の乗客。お年寄りの優先席も奥の席も埋まっていた。

ランドセルを膝に置いた小学2,3年生の男の子が自分の前に立ったお年寄りに、勇気を出して席を立ったように見えた。

おばあさんは笑顔で少年の好意を受け止め、「いいのよ、すぐ降りるから」と言っているようだった。

少年はどう対処してよいか判らず、また席に着き真っ直ぐ前を見ている。

まだ8~9歳、こんなときどう対処していいか、どんな言葉をかけてよいかまだ判らない。

でも、お年寄りに「どうぞ」と言葉では言えなかったかもしれないが、その勇気が格好よかった。

おばあさんは「ありがと」と少年に声をかけ3つ先のバス停で降りていった。


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今日は七五三。 そんなことも知らずに善福寺川緑地までのサイクリングの途中、大宮八幡宮へ寄ってみた。



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今日は君たちが主役。 すくすくと健康で育つようにとの切なる願い。
ご両親ともカメラや iPad を持ち激写、子供にポーズを指示。


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神社の境内で杉並区の菊の鑑賞会が行われていた。 どれも見事、綺麗なものはどう撮っていいか難しい。


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陽がてっぺんにいった頃、善福寺川緑地を自転車で走り、途中で買ってきたバケットのサンドを頬張りながら行き交う人々を眺めていた。

そろそろ師走に入る。時だけが先を越して走ってゆく。
by w-scarecrow | 2014-11-15 21:46 | 散歩 | Comments(2)

くりかえし

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「天才とは 1% のひらめきと 99% の努力である」トーマス・エジソンの有名な言葉、確かに。
1% の努力と社会の役には全く立たない悪戯心のひらめきが 99% の自分を振り返る。

物を作る職人でも日々、伝統と経験値での繰り返しの作業。 アスリートでも日々、基本の繰り返し。
これができない。

今日は病院での検診の日。 採血室では4人の看護士が次々と患者の血液を無表情で採血してゆく。
チャプリンの映画 ” モダンタイムス " の一場面のよう。

私がもしこの仕事に就いたら採血中に「やばっ」とか「うそっ!」とか、ゆうべの飲み会の会話を思い出してニコッと笑みを浮かべてみたり、あんな鉄仮面に徹することはできない。
集中力がないのかもしれない。

男子高出身者の落とし穴、大学受験のとき前の席に座った受験生の女子が何度も髪を掻き上げる仕草に魂を奪われ、仄かな女子高生のいい香りにやっつけられ、一浪した。
羞恥心がないのかもしれない。

一浪してミッション系大学の英米文学科に入った。30数名のクラスに男子はたった7人!
「Wさんはどっからですか?東北ですか?北海道ですか?」東北訛りの女子に聞かれた。牧草の匂いがすると言われた。

虫捕りもあまりしたことはない、勿論、北海道の原野でルアーフィッシングもしたことはない、魚釣りは縁日の金魚すくいしか経験はない。
乗馬の経験は東急東横店の屋上でしか乗ったことがない。

東北訛りの抜けない子はやがてバリバリの標準語になり、バブルの街へと消えていった。
牧草の匂いのする男は・・・いまだどこの寺社で御朱印帳を手にいれるか迷っている。
by w-scarecrow | 2014-11-12 19:05 | そのほか | Comments(6)

As Time Goes By

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            鉛の塀


                    言葉は
                    言葉に生まれてこなければよかった
                   と
                   言葉で思っている
                   そそり立つ鉛の塀に生まれたかった
                   と思っている
                   そして
                   そのあとで
                   言葉でない溜息を一つする


                                      川崎 洋

                                                   

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時は流れていますか  ・・・「 流れています 」

時は重ねるものですか  ・・・「 赤面してしまうような過去を少しづつ覆い隠してくれています 」

時は色褪せますか  ・・・「 色褪せません 輝いています 」


Blog を始めてから7年目に入りました。 そんななかで自問自答。


スーパーでおでんの食材を物色中、「サキ、明日のお弁当のおかず何がいい?」と母親、幼稚園児らしき女の子「・・・ハスのきんぴらがあれば、OK! 」の声。

格好いい!! 時はいつもキラキラと輝いています。
by w-scarecrow | 2014-11-09 20:03 | そのほか | Comments(16)

Baum

先週はB さんの誕生日会。 お祝いされる本人から美味しいバウムクーヘンをいただいた。

治一郎のバウムクーヘン。 ほかのバウムクーヘンとは比較にならないほどのしっとり感。
牛乳や紅茶のお供はいらない和の食感。
玉子がグッと全面に出てきて、嬉しいほど濃厚。 旨かった!


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ラジオで大学の先生が言っていた。 少子化の問題よりそれ以前の " 非婚化 " 若者たちは「結婚なんて面倒くさい」という風潮、コンビニに行けば惣菜も弁当も日用品もほとんどの物が揃ってしまう。
同居人?に気を遣うよりはひとりでいた方が楽。

若者たちに家庭を持つことは素晴らしいことだよと、ひとり者の私が言える立場ではない。


心に残っている風景がある。

小田急百貨店前の屋外喫煙スペース、家電量販店の大きな荷物を置きタバコをくゆらせている60代のご主人、煙りの先にはデパートの紙袋を持った奥さんがいる。

「お昼ご飯どうします・・・地下でお弁当買って帰りましょうか?」
「たまには店で食べていこうか」
「でも、デパートの上はまだ混んでいるんじゃない」
「・・・並べばいいさ」

他愛もない夫婦の会話、気持ちを察しながらの短い言葉・・・避暑や行楽シーズンに星野リゾートに宿泊するタイプのご夫婦ではなく、なにか私たちの両親の世代の夫婦のような気がした。
by w-scarecrow | 2014-11-05 20:22 | | Comments(4)

すき焼き ♪

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京都の色街は遊びなれた商人の匂いがするが、江戸時代の初期まで遊郭(旧吉原)があったここ人形町はぶっきらぼうで職人気質な空気が今も残っているように感じる。

江戸時代の末期まであった芝居小屋、中村座や村山座、浅草猿若町へ移転するまでは、見世物小屋も点在し江戸のエンターテイメントの中心だった町。

ゼネコン女子 3人とおじさん2人で谷崎潤一郎の生誕の地に建つ、" すき焼き風しゃぶしゃぶ屋 "(上の写真とは別)を 食べさせてくれる店での誕生日祝いの飲み(食事)会。

十数年ぶりに箸をつけた見事な霜ふり牛をしゃぶしゃぶした。 (「冷蔵庫に残っているオオゼキで買ったオージーのコマ切れは明日、牛丼にしようっと」)

風を切って歩くバリバリのOL と焼酎で一杯という機会が殆どなかった人生。 どうしても緊張をして呑んでいるので酒の廻りが早いこと、早いこと。

Office Lady がどうしても Office Love の略だと考えてしまう。


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新宿で焼き鶏の煙に包まれているお父さんたちの悲壮感がこの町にでは感じられない。 鬼平犯科帳で出てくるような出世を諦めた同心や気っ風の良さだけで生きている岡っ引きみたいな人々が肩を並べゆっくりと杯を傾けている。


" しらたきとネギの甘辛く煮たもの " が大好きなお父さんがいる。 
残業で疲れ電車に揺られてやっとの帰宅、食卓に置かれた鉄鍋の蓋を開けると、女房、子供たちが肉を平らげた残骸が残されている。

「味が染み込んでいて旨い、これで何杯でもご飯が食える」 春風亭昇太の十八番のネタ。
by w-scarecrow | 2014-11-02 19:06 | 散歩 | Comments(6)