winter's scarecrow

<   2009年 11月 ( 11 )   > この月の画像一覧

紅雨

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11月最後の日、朝7:13の電車に乗り東武東上線志木駅まで50分、そこからバスに乗り15分。
目指す平林寺へ。 遠足の当日のように目覚まし時計の鳴る10分前に起きた。
外は雨模様、垂れ目のお天気キャスターが8時過ぎには雨は上がると言っていた。
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門が開く9時前には小雨の中、20人近い人が待っていた。 私が一番の若造だった。
カメラを向けてもファインダーの中に必ず人が入り込んでしまう。 待つこと10分。
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埼玉県新座市野火止にある平林寺、600年前、岩槻城主・太田道直(道灌の父)が創建した。
11月に入るとイチョウ、けやき、カエデへと葉を落としていくらしい。 植物オンチなのでイチョウしか判らない。
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平林寺の敷地は途中で遭難してもおかしくないほど広い。 林の中を進んで行くと方向感覚がなくなってくる。
遠くからオバチャンたちのカン高い笑い声が聞こえ、道のある方向を確認。
オバチャンたちは息つぎなしに喋っているので、霧の中や森の中、砂漠で迷ったときには磁石の役目をしてくれる。
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紅、紅、黄の世界、どこを見渡しても色づいている。
断酒をして34日目、20歳を過ぎてから2日間すら禁酒できなかった男が34日・・・。
失われつつある武蔵野の木々の中、雨色の空気を思いっきり吸い込んで歩く。
ただあまり健康的な生活をつづけていると何か想像力、発想力が失せてゆくような気がする。
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あっという間に2時間がたってしまった。 11時を過ぎ人波が絶えることなく紅に染まった山門をくぐっていた。
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明日から師走に入る。 色づいた風景から脱色したような世界へ移る。
今日まではカラー(総天然色)の夢をみれそうだ。
by w-scarecrow | 2009-11-30 21:14 | 散歩 | Comments(12)

風めぐり

モンパルナスにある茶葉専門店"Le Palais des Thés"の紅茶を飲み始めて10年がたつ。
1987年、紅茶の専門家たちが集まりつくったパリの茶葉専門店。
自己表現を強く出すフランス人のイメージとは相反して、控えめで穏やかで深さを感じられるお茶。
時がたっても初めて味わったときのimpactをずっと持ちつづけていられる。
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"ル・パレデテ"の茶葉を扱っている"TEA Shop 八月の鯨"からキッシム(ダージリンの北部)の茶葉「テミ」を取り寄せた。
今の季節にピッタリの爽やかで躍動感のある「テミ」、産地はどんな風土なんだろ?と想いがめぐる。

ほうじ茶(写真上)も切れていたので、やわらかな香り立つ茎ほうじ茶も2袋頼んだ。
以前に紹介した針のような綺麗な茶葉の煎茶「おくみどり」(写真上)も再入荷していた。
好きな紅茶も雲南も80g,50g単位で買え、日本茶も一緒に注文ができるので助かる。

お茶を淹れ、David DarlingのcelloのunitをBGMにして、日常のどこにでもある風景を誰でもが持つ視点でとらえ、彼女の特異な感性で綴った山崎るり子の詩を眺める。
山崎さんの詩は読むというとり眺めるという方が合っているかもしれない。

                      かぜめぐり    山崎るい子
                            *     *           
                        風ぼうぼうぼう
                        行ってしまったあとはしーんとして
                        草も木も雲も山も
                        なんだかうすっぺらになってしまった
                            *
                        葉っぱがどんどん乾いていって
                        シャラシャラと風に鳴るころ
                        青は怖いほど青くなって
                        キシリと空を閉じ込める
                            *
                        風が家の中に入ってきた
                        カーテンを値踏みし書きかけの手紙をチェックし
                        肉じゃがの鍋をのぞいて出て行った
                        だれかに話しに行くらしい
                            *
                        風がひと吹きでさらって行った
                        おもえば小さな炎だった
                        ろうそくの回りに闇が押し寄せてくるともう
                        風がずっと遠くを行くのがわかった
                            *
                        風は雨より気ままだったので
                        晴れの日も吹いていった
                        風は光より自由だったので
                        暗闇の中へも吹いていった
                            *
                        風は鳥を高みに押し上げ
                        野に種を蒔き
                        あるときは神様の姿になって
                        戸口に立つ
                            *
                                          [思潮社 山崎るり子詩集より]

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帰り道、新宿サザンテラスに青と白のイルミネーションが輝いていた。
暖かな金曜日、歩く人たちは足をとめ、携帯を取り出し何回もシャッターを押していた。
年の瀬のあわただしい季節になった。 初詣はどこへ行こう?
この2年は安産・子宝に功のある神社に掌を合わせていた。 
by w-scarecrow | 2009-11-27 21:56 | tea | Comments(6)

パレットに映る影

長くのびた影。
ゆっくりと時間をかけ歩いてきた。 
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自転車で15分の道のりを2時間かけて歩いてきた。 代官山を通って恵比寿ガーデンプレースへ。
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国道246の高架下の煙煤を抜けると、旧山手通りの並木道に入る。
ピリッと尖った風が繁った緑に融和されて、別な色に変化したみたいだ。

西郷山公園から谷底に流れる目黒川をはさんで、向こうに東山一帯が見渡せる。
生ハムとルッコラをチャパタではさんだサンドイッチを食べながら、大好きな牛乳を飲む。
ここはハトが少ないかわりにdog showの会場みたい。
飼い主と似た顔をした犬が次から次へと、登場しては消えてゆく。
場所柄、品のよい顔をした犬ばかり、行儀もいい。
下町で見る人なつっこい、やんちゃな犬は登場しなかった。
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通りを進むと右側に派手な教会風の結婚式場(カタカナ文字の呼び名は?)の建物がある。
マイクロバスが2台停まり、礼服を着たお年寄りや子供たちが降りてゆく。
それぞれ息を呑みながら白い建物を見上げている。
入り口に立った美男美女の案内人が教会?へ上がる階段へと誘導している。
もう建ってから10年は経っていると想うが、建物の真っ白な壁は変色も沁みもできず真っ白のまま。
白を保つには労力も経費も、なみなみならぬものが必要とされるだろう。
西陽を背にして白い教会が鮮やかに浮かびあがっていた。
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代官山ヒルサイドテラスのすぐ裏に緑豊かな神社と旧朝倉邸がある。
この地の名士であった朝倉虎冶郎の大正8年に建てられた邸宅に入ってみた。
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槍ヶ崎から駒沢通りに入り、防衛省の研究所脇から裏道を通り、子供の頃の戦争ごっこの主戦場だった恵比寿ガーデンプレースへ。
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連休最後の日、かなりの人出。
X'masのイルミネーションの前で写真を撮っている家族連れの姿。
そんな光景を見ているときが、なぜか心和む。
大きな影と小さな影、小さな影は柱みたいな大きな影の周りをくるくるくるくると廻り重なった。
by w-scarecrow | 2009-11-23 19:34 | 散歩 | Comments(10)

豆、豆、豆

金沢市野町、甘納豆専門店『かわむら』からの一粒の幸せ。
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しっとり、プチプチの青えんどうがころころ。
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『かわむら』の甘納豆はお世話になった人、お世話になりたい人へ贈るとほんと喜ばれる。
センスのよい包装、説明書きを読んで、さてどんな豆たちが入っているのか・・そのひと時が嬉しい。
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甘納豆六種: 大納言、白花美人、青えんどう、お多福、くるみ
もちろん、別々の袋に入っている。 六種¥1700 他にも八種詰め合わせ、栗甘納豆、竹甘露、糖菓子などもある。

甘納豆 かわむら
                          
石川県金沢市野町2-24-7
TEL: 076-244-0042
( HPはなく、注文は電話、FAX)
       
夫婦2人でお茶受けでつまむにはちょうどよい分量かもしれない。 
お茶までも美味しく感じる。
ベランダの雀たちがチュンチュク、煎餅を砕いた餌を突っついているのを眺めながらの甘納豆。
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信楽で作陶されている村上直子さんの蓋物。 蓋の窯変がいい風合いになっている。
村上さんのsugar potや小物入れも面白い。

女性には多いと想うが、渋い缶カラや木箱、小さな紙箱を捨てられずにいる。
蓋物、子供のころはバッチや銀玉、おまけに付いてくる小さなキャラクターなどを入れていた。
自分だけの宝物入れ。
大人になって海外へ行ったときは包装紙や箱、紙袋、コースターなんでもかんでも持ち帰った。
ホテルのリネンやアメニティー、シャワーキャップには手をつけなかったが・・。
初めて欧州へ行ったときは小物のお土産を7,8個買い、さて何に入れて渡そうかと迷った・・。
ホテルのお手洗でふと横を見ると、パープル地にフランス語の文字が書かれた、小さめのビニール袋がいっぱい置いてあった。
何の袋だかはじめは解らなかったが、「あっ、そうか。これでいいや」とお土産用の袋にした。
「わっ、お洒落な袋」と結構、評判がよかった。

蓋物、今は小さな宝物などはないが蓋を開ける楽しみだけは変わらずにいる。
初冬の晴れ空、X'masの飾りつけがされた街を抜け、老母に甘納豆を届けに行く。
by w-scarecrow | 2009-11-21 12:19 | 食 + うつわ | Comments(8)

チョコととんかつ

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お昼に新宿のCoCo壱でハンバーグカレーを食べていたら、メガネをかけたアキバ風のメタボ青年が隣りに座った。
「絶対に唐揚げカレーを注文する!」と想いきやカツカレー大盛り。
おそらく汗っかきなので辛いカレーは苦手、お茶は飲まず炭酸飲料、この上なく揚げ物の衣が大好物だろう。
入り口付近で寒かったが彼が来てくれて、少しばかりホンワリと暖かくなったような気がした。
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1度しか訪れたことのない町田へ。 街の変貌に驚いた。
20年前はこんなに人は歩いていなかった。 人、人、人。
町田で用を済ませ、夕飯はとんかつを食べようと決めていたので小田急百貨店町田店のデパ地下へ。
まい泉は好きでないので別のとんかつ屋でロースを1枚。
さて帰ろうと歩いていたら、店員さんと目が合う。 柳原加奈子似の店員がニッコリ。
「よろしかったら、お試しくださ~い」
吸い込まれるような笑顔に「これ、ください」
OGGIのプティ・ショコラ・フランボワーズ。 疲れた躰にチョコレートのやさしい甘さが沁みた。
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                                         【1950年代のGustavsberg,Tea C/S】
"TEA Shop八月の鯨"の紅茶とプティ・ショコラで窓から望む日没の富士山のシルエットを眺める。
断酒をしてから飲み屋通いが少なくなり、シラフで過ごす夜がなが~い。
そろそろ年賀状でも書くことにしようか・・。
by w-scarecrow | 2009-11-18 22:04 | うつわ | Comments(0)

いちょうとオカンと、ときどき・・

「とめてくれるな、おっかさん、背中の銀杏が泣いている、男東大どこへ行く」
'60代後半の学生運動の嵐のなか、東大生であった橋本治が詠った有名なコピー。
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断酒をして3週間、あまりにも胃腸の調子が良く、目覚めもすっきり。
朝、8時近くトコトコと東大駒場キャンパスへの散歩。 空はエーゲ海のような真っ青な日本晴れ。
日曜日の朝なのに結構、学生の姿があった。
黒っぽい上着に、髪の毛がメガネをかくすくらいにセットして45度下を向いて歩いている、いかにも東大の男子学生。
どう見ても「希望」という二文字が似合わない。
そんなことを考えながら歩いていると、ブーツのコトコトという足音が複数、迫ってくる。
どう見ても東大生に見えないお姉ちゃんたち5人がガムを噛みながら追いこしていった。 全員ブーツ。
テニスコートの前で東大の中ではそこそこイケてる男たちがテニスウェアーでブーツ軍団を迎えていた。
イケてる男たちは将来結婚するとき、全く別なタイプの女の子を選ぶんだろうな~。
と、ブーツのお姉ちゃんたちに、ちょこっとシンパシーを感じながらの帰宅。
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                                              【器・松村英治(常滑)焼〆8寸皿】

朝食はアジの塩焼きに大根と揚げの味噌汁。 肝臓には大根が良いと聞き、最近は大根ばっか。
ぎんなんが良いと聞いたら、きっと毎日拾いに行っている。

宮澤賢治の童話に"いちょうの実"という作品がある。

        その明け方の空の下、ひるの鳥でも行かない高い所を鋭い霜のかけらが風に流されて、
        サラサラ南の方へ飛んで行きました。
        実にその微かな音が丘の上の一本のいちょうの木に聞こえるくらい、澄み切った明け方です。
        いちょうの実はみんな一度に目をさましました。
        そしてドキッとしたのです。
        今日こそは確かに旅立ちの日でした。 
        みんなも前からそう思っていましたし、昨日の夕方やって来た二羽の鳥もそう云いました。
           ◆以上、序文◆
ある朝の情景から始まる物語。 いちょうの実(子供)たちの旅立ちの日、母親である銀杏の木のもとを一斉に
離れる日がやってきた。
いちょうの実の一つ一つが、それぞれ夢を抱いて旅立ちの時を待ちます。
ある者は冒険を夢見て、ある者は不安に押し潰されそうになり、ある者は慌てて準備を整え、
そしていよいよ朝日がその時を告げるのでした。

自然をモチーフに親子の情愛を描いた賢治のこころ温まる一作。

夕飯はたぶん、大根おろしにご飯。 
そうだ、お見舞いにKちゃんから大分のでっかいどんこを頂いたんだ。
高野豆腐があるから、椎茸と煮付けよう。

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可愛いシールが箱に貼ってあったので、ちゃんととってある。
以前、身体を壊したときは"ホンコンやきそば"というインスタント焼きそばを頂いた。
そんなありがたい気持ち頂きます。 ありがと。        
by w-scarecrow | 2009-11-15 19:00 | 散歩 | Comments(10)

香ばしく、しっとりと・・

Panetteria ARIETTA 広尾のパン。
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                                              【器・高木浩二(千葉)彩泥楕円鉢】
恵比寿駅東口から渋谷橋交差点(明治通り)を右折し天現寺方向へ、駅から10分ほど歩いたところにあるARIETTA。 
自家製天然酵母、国産小麦で焼きあげられたパンがところ狭しと並んでいる。
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                                               【吉住章(奈良・吉野)焼〆銅鑼鉢】

手前がフェニックス、黒糖のような深い風味でモチモチ感が堪らない!オレンジビールの入ったパン。 旨い!
奥がセーグル・ノア、ライ麦の風味と練り込んだクルミが香ばしい、ARIETTAのパンのしっとり感が嬉しい。
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                                                【水野幸一(岐阜・土岐)銅彩釉鉢】
コンプレ・フィグ、ラム酒の仄かな香りとオレンジビールに漬けこんだイチジクのやわらかな感触が口のなかに広がる。
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                                        【清水なお子(京都・亀岡)ルリ釉6寸リム皿】
全粒粉のプレーンのパン。 夕飯はこれにスプレッドタイプのチーズをぬり、アルコール0.00%のキリン"フリー"で済ますつもり。
最近、食が細くなってきたのかパンを食べることが多い。 少量のおかずを作るのが面倒なのも理由かもしれない。

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Panetteria ARIETTA

東京都渋谷区広尾1-11-2

TEL: 03-3473-9123

営業時間: 9:00am~20:00

無休

take out用のカンパーニュやバケットのサンドイッチも種類が多く、具材を食すというより香ばしいパンの風味を味わえる。


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吉祥寺に「雑学大学」という市民の手作りの生涯学習講座があり、30周年を迎えたらしい。
毎週土曜日に開かれ、受講料、講師料、会場費が無料。
誰でも「教授」として教壇に立つことができ、今までも都市計画や政治の話など硬めの話がある一方、お婆ちゃんの漬物講座や「主婦のためのへそくりを生かす方法」と題した講座、蕎麦好きののうんちく話や旅行の報告談もあるらしい。

呑べえの私も立ち飲み屋や居酒屋へひとりで行くのも隣りに居合わせたオッチャンの昔話、郷里の話、職人さんの仕事の話、学生の恋愛話、おかまちゃんの悩み等々、話をタダで聞くことができるのでやめられない。

吉祥寺の雑学大学、こんな活きた講座をシラフで聞けるなんて一度、覗いてみたい。
こういう講座を是非、子供たちにも聞いてもらいたいとも思う。 
豆腐屋や倒産した会社の社長や天文学マニアや元巡査や農家の方々やそんなオッチャン、おばちゃんの話、いつかふと想い出す肥しになると想う。
by w-scarecrow | 2009-11-13 22:18 | 食 + うつわ | Comments(2)

過ぎゆく日

Blogを始めて、今日で1年が過ちました。
お付き合いをしていただき、ほんとうにありがとうございました040.gifコックン。
commentをいただく方々のBlogを拝見して、映ってくるものが平面から立体へ、そしてその方の持つ空間へと映り方が少しづつ変化してきたような気がします。 
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先日、実家に寄ったらテーブルの上にミイのtea cupが置いてあった。 裏側はスナフキン。
「インフルエンザの予防には紅茶がいいんだってさっ」
最近母は毎日、紅茶を飲んでいるらしい。

2年前に紅茶の茶葉とこのtea potを買っていったとき、ミイとスナフキンの絵を見てすごく嬉しそうな顔になった。
やっぱ、母も元々は女の子だったんだって想った。
以前はお昼のTV番組で、みのもんたが紹介していたものが、すぐに食卓に並んでいた。
すごく解りやすい性格でTVを見ていて「この人、好きじゃない」という人はすぐに判る。
野村沙知代、神田うの、小沢一郎、出川、徳光・・・。 みんな母と同じB型である。

スポーツ観戦が大好きである。 特にバレーボール。 高校野球。
元日本代表の中垣内が大好きだった。
TV中継があるとノート(私の高校時代に使っていた残りの頁)に選手の名前と特徴、感想が書かれていた。
大雑把な性格であるが、時に几帳面なところをみせることがある。
千駄ヶ谷にある東京体育館に孫とバレーボールの試合を観に行く前日、待ち合わせと同じ時間にバスに
乗って所要時間と待ち合わせ場所を確かめに行ったらしい。
孫に迷惑をかけたくなかったのかもしれない。

私が母の作ったお弁当を食べたのは幼稚園のときと小学生時代の遠足と運動会のときだけである。
幼稚園ではお揃いの紺色のアルミの弁当箱にゾウさんの絵が描かれていた。
そんな可愛いい蓋を開けると昨晩の父の晩酌の肴の残りもの。
マグロの煮詰めたものと身欠きにしん、棒だらの煮付け、里芋、醤油の卵焼き・・箱中、真っ茶色。
みんなのお弁当箱はお花畑みたいだった。 よそんちの子になりたかった。

小学校1,2年の頃、学校帰りにいつものように駄菓子屋で世間話をしてから家へ帰る途中、財布を拾った。
開けると千円札が見えた。 大金に腰が抜けそうになり交番へ。
駐在さんに「えらい!」褒められ、仕事から帰ってきたほろ酔いの父にも褒められた。
「お前、なにか欲しいものはあるか?」
「・・・新しいお母さん!」
父は子供の冗談?と解っていただろうが、頭にコツンとゲンコツを喰らった。

未だに冗談とはいえ、母に対して失礼なことを言ってしまったと思っている。
上の写真を撮ったとき、カメラの液晶に写った自分の手を見て、
「やだ、やだ、お婆さんの手みたい・・・」
と言いながら、すぐにハンド・クリームをぬっていた。

2年目が終わる来年も、こうやって母親のことを楽しい気持ちで書けていたらと願う。
by w-scarecrow | 2009-11-10 21:24 | my back pages | Comments(10)

よかとばい

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美味しい新米に明太子をのせ、ご飯を掻きこむ幸せ。

東京から博多の明太子を取り寄せようとすると、クール便の送料が¥1000くらいかかってしまう。
少し多めに買って冷凍庫で保存。
通販や物産展に出店してない、地元の人しか知らない美味しい明太子も食べてみたいといつも想う。

『しまもと 辛口明太子』
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東京のスーパーで買える明太子ブランドは買ったことがない。 どこでも買えるので食指が動かない。
今まで食べたなかでは『しまもと』と博多まるきたの『博多あごおとし』が辛口も含めて好みにあっていた。
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博多の明太子の人気ベスト3に必ずでてくるのが"椒房庵"と芸能人御用達の"稚加榮"。
へそ曲がりなせいか人気店のものは避けていたが、物産展で購入し両店のものを食べてみた。

『椒房庵 辛口明太子』
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椒房庵の辛口ではない普通の明太子も塩分が強くなく人気がある理由が解った。 屈折した先入観をなくさねば。

新米の美味しいころはご飯に一品のおかずでも十分である。

京都言葉を話す子と呑んでいるときは、心のなかで「駄目だぞ、駄目だぞ、この京都弁にダマされんな!」
といつも反復して呑んでいる。
きっぷのよい博多の子と呑んでいて「・・好いとっと」と言われたら脚から崩れ落ちるかもしれない。
「好いとっと・・」は日本全都道府県のI Love You!のなかで一番ドキッとする。

少しの遠出で実家に顔をだす前に、恵比寿ガーデン・プレイスにある東京都写真美術館で催されている
"異邦へ、日本の写真家たちが見つめた異国世界"という写真展を観に行く。
戦前から活躍されていた写真家から現代まで、彼らの視点を感じてきたい。
by w-scarecrow | 2009-11-07 18:12 | 食 + うつわ | Comments(6)

記憶のなかの風景

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         記憶のなかから決まって現れる風景がある。
         坂のある路地の風景である。
         坂道は途中から少し右に曲がり、その先に何があるか判らない。
         子供の(今の)私はその坂の上に立っている。
         坂を見下ろすように立っている。
         しかし坂が曲がっていて先に何があるのか判らないので、不安になって
         どうしてもその坂を降りてゆくことができない。

         夢によく出てくる坂道。
         東京の坂のある道を歩いていてデジャヴュのように現れる。
         その坂は本当に子供の私が見た風景なのであろうか
         それとも子供のころの記憶として成長してゆくなかで人工的に
         作ってしまった記憶なのか。
         それを確かめたかった。

         長い坂の上にあった女子修道院の幼稚園。
         坂の下で私がちゃんと門をくぐるまで見送ってくれていた自転車に乗った父の姿。
         でも、あの坂は真っすぐにのびていた。
         小さいころ、父によく連れていかれた町をあらためて歩いたことがある。
         下町で手焼き煎餅屋を営んでいた伯母の家、前に堤防はあるが坂道はなかった。

         母にその話をしたことがある。
         ある日、母から電話がかかってきた。
         もしかしたらお婆ちゃんの住んでいた国分寺から電車に乗って行った町かもしれないと。
         その町はお婆ちゃんのお葬式にしか行ったことのない町。
         まだ開発されていない造成地が多かった町。 幼稚園生の私は父に連れられて行った。
         スタスタと自分の歩幅で歩く父を坂道で見失ったのかもしれない。
         お婆ちゃんのお葬式、もしかしたら夢にみる坂道は黄昏どきのその坂道だったのかもしれない。

東京は昼間でも12℃の気温、鍋の材料を買ってきた。
きのことハマグリをいっぱい入れた。 Queen's 伊勢丹で鴨の皮だけをパックに入れて売っている。
これが、いい具合の出汁になってくれる。 雑炊が楽しみだ。
by w-scarecrow | 2009-11-03 19:35 | my back pages | Comments(9)