winter's scarecrow

2017年 05月 30日 ( 1 )

やぶ、砂場で


e0158857_11422056.jpg
                        大阪屋砂場本店が見える        



「あ~、美味しい蕎麦が食べたい・・」
と、いつものように思うのだがご近所には、腰のない風味もないもり蕎麦をたべさせる店しかない。
丼物や黄色いルーのカレーライスを食べるにはもってこいなのだが・・。

重たい腰をあげて神田や麻布、上野、浅草にある老舗御三家・砂場、藪、更科などの名店まで足を延ばすには荷が軽い。

昔から蕎麦は " 小腹の空いたときに、さっとたぐるもの " といわれている。 

でも小腹の空く時間はだいたい午後3時頃、蕎麦屋はこの時間は中休みに入っており営業中の店を探すのは難しい。

信州や山形の蕎麦屋で出される大きく盛られたもり蕎麦は東京では少ない。悲しいほど軽くそばがザルやせいろに盛られている。

「江戸っ子は寿司と蕎麦で腹をはらしちゃいけないよ」と店主の声が聞こえてきそうである。

昼下がり、慎ましく紳士的なご老人が板わさを肴に燗酒をちみちみとやり、最後に天ざるを食す、そんな粋な画が浮かんでくる。

待ってました!とガツガツしてはいけない、軽~く盛られたもり蕎麦を味わいながら最後の一本までつまんで箸を置く、そんな食べ方をしなければいけない。

亡くなった柳家小さん師匠が言っていた「蕎麦屋でざる蕎麦を食っていたら、店じゅうの客の視線が私に集まって、食いにくいのなんの、そばつゆをたっぷりつけて食べられず、食った気がしなかった」


今日は30度を越すみたいだ。
神田や美味しい蕎麦屋のある町に用があればいいのだが、ない。

歩いて10分、天下の立食い・富士そばがある。ガツガツと蕎麦を食らうにはもっこいだが、たまには香りある蕎麦が食べたい。
聳える富士より、藪や砂場の方が遊び心をくすぐる。

 




[PR]
by w-scarecrow | 2017-05-30 12:38 | | Comments(2)