winter's scarecrow

谷内六郎

8年前に阿佐谷の古本屋さんにあった『谷内六郎展』の画集。久しぶりに開いてみる。
頭のなかの鬱々としたものがゆるやかに解かれていく。
ノスタルジーに浸るわけでもなく、だだ昔の情景を懐かしむわけでもなく、肩にかかった少しの重しを降ろす。
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     谷内六郎、
     1921年(大正10年)東京市豊玉郡渋谷村(今の恵比寿)で九人兄弟の六男として生まれた。
     私も恵比寿で生まれ、四男。なぜか親しみがわく。

夕映え 1965年
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     小さな頃から喘息に悩まされ、病床で過ごすことが多かったという。
     千葉・御宿の知人宅で療養生活をしいられ、そのときに焼きついた漁村、山、海の風景を絵にしたものが多い。

枯葉のバレー 1959年
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     六郎はミッキーマウスを描くのが好きだったらしい。
     14歳の頃から「キング」「少年倶楽部」等に漫画を投稿して度々の入選。
     16歳のときは報知新聞に半頁大の漫画が掲載され漫画家で生きていくと決心。

電車カバンを買った日 初期
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     戦後は持病の喘息も快方へ向かうが、その後も再発を繰り返す。

夜の公衆電話 1959年
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     週刊新潮の創刊と同時に表紙絵を担当、以後25年にわたり1336枚の絵を描きつづけた。

シーッきじがいる 1971年
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      1981年、谷内六郎逝去、59歳。
                            <サンケイ文化センター発行、谷内六郎展より>

寒い季節の絵を選んでしまいました。
風の心地よさ、土の温かさ、雪を踏む靴音、闇夜に黄金色に光る電球、人々の営みのやわらかな空気感。
そんなものを十分に感じ本を閉じます。
by w-scarecrow | 2009-02-20 20:47 | my back pages | Comments(6)
Commented by Kirara at 2009-02-20 23:33 x
六番目の息子さん・・・で 六郎さんですか^^
週刊新潮の表紙で親しみがありました。
懐かしくて 優しい絵ですよね。
息子さんのこうたさんの絵本も好きで 若い頃「のらいぬ」という絵本を買って持っていました。
Commented by w-scarecrow at 2009-02-20 23:59 x
kiraraさんも僕もそうなんですが、谷内さんの絵を毎週、駅の売店で見ていました。
週間新潮の掲載前の絵で「すごい!」と想う絵が結構ありました。
円熟ではない感性のほとばしりの絵がいっぱいあって・・心惹かれます。
息子さんも絵本を描いていたんですね。
Commented by tukiyomi at 2009-02-21 21:33 x
絵本の挿絵にもありそうな
温かみのある親しみやすい絵ですね。雑誌の表紙だったのですか。何となく見たことがあるような・・・
ノスタルジックな雰囲気も素敵ですね。
Commented by w-scarecrow at 2009-02-21 22:09 x
tukiyomiさん、谷内六郎さんは恵比寿で生まれて駒沢に転居するんですけど一枚目の山を望む絵は当時の駒沢の風景みたいです。
小川が流れ、丹沢、富士山をまじかに見える田園だったみたいです。
ホッとする絵です。
Commented by 花子 at 2009-02-24 05:28 x
「週刊新潮は明日発売です♪」、この表紙を見ると音の記憶も蘇えります。
今は公衆電話で電話する姿も見かけなくなり、そのうち死語になるのかな、公衆電話も。
今の新潮も似たような温かみのある表紙ですね。
Commented by w-scarecrow at 2009-02-24 19:26 x
花子さん、TVでもラジオでも流れてましたね。
表参道の交番横に谷内六郎のでっかい絵の看板がありました。
今の新潮の絵もいいですよね!!
横尾忠則さんの実弟の画家さんみたいです。
赤電話、ピンクや黄色の電話もなくなりつつありますね。