winter's scarecrow

愛しき脇役

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            水野博司 『藻焼急須』  容量: 240cc
                  1950年 愛知県常滑生まれ
                  1971年 人間国宝 三代・山田常山氏に師事
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美味しいお茶を淹れるとき、お茶の葉、湯の温度、茶碗などに気をつかっても急須自体に目をむけることは少ないかもしれない。
水野博司さんの急須をはじめて手にしてからやきものに興味を持つようになった。
そして、この急須でどうやったら美味しいお茶が淹れられるのだろうと。

伊丹十三が急須を求めて旅にでる。なかなか納得するものに出遭えない。
彼のエッセイで愛する急須のことを綴っている。
茶葉は主役である。茶葉がなければ物語りは始まらない。
けれどそこにはキラリと光る脇役たちがいなければ深みのある、心を動かす物語はできない。

水野博司さんは急須と土瓶しか作らない。ほかのうつわを作ると手が変わってしまうと言う。
常滑の土は酸化鉄を多く含み、お茶のタンニンと反応して苦味がとれ味がまろやかになる。
この藻焼急須は伊勢湾の海藻を巻き焼いたものである。注文したときに良い海藻が手にはいるまで焼かないので一年は待ってもらうかもしれないと言われた。運良く4ヶ月で済んだ。
急須作りは本体、蓋、注ぎ口、取っ手などのパーツがあり、陶芸のなかでもたいへん手間のかかる作業である。
茶漉の部分だけを見ても小さな穴を丹念に開けお茶切れを良くし、取っ手の角度も使いやすい角度に計算され作られている。
すべてに寸分の狂いもない。

あくまでもお茶をいただく人と茶の葉のために繊細に限りなく美しく作られている。
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by w-scarecrow | 2008-12-12 13:16 | うつわ | Comments(4)
Commented by oko at 2008-12-13 23:23 x
緑茶は何処の産地のものがお好みですか?
私は今でも生まれ故郷鹿児島の溝辺茶です。
(空港近くの末重製茶のもの)
使いやすい急須はなかなかありませんねえ。
だから出会ったらうれしいですよね。
Commented by w-scarecrow at 2008-12-14 14:07 x
東京にある鹿児島アンテナショップには鹿児島茶、知覧茶、頴娃茶がありました。宇治茶は近隣の産地のブレンド茶ですが各産地のものを飲んでみたいですよね。受け売りですが海に近い茶畑、山間の茶畑、緯度の違い、製法の違いで全く違うといいます。九州だと釜炒りのお茶もありますよね。
アンテナショップでは知覧、頴娃のものを買い。宮崎では都城、日向と試して飲んでいます。oko blogにあった奈良の山間の茶畑も飲んでみたいです。
急須で困るのは茶漉しに茶葉が詰まることですよね。セラミックのものも多いです。作家物でも茶漉しの部分は専門の方に依頼している作家さんも多いみたいです。
急須は茶漉しの部分がしっかりと作られていて、蓋の径が広い平丸急須が使いやすいと思います。汲出しや茶碗との景色が良ければ美味しいお茶を飲めると想います。
Commented by oko1225 at 2008-12-14 22:40
先日の茶畑の大和茶は
“ひむがしの野にかぎろひの立つみえて”
と歌でしられる大和高原のお茶です。
こちらの広報か何かで
パークハイアット東京41のピ-クラウンジで採用と
聞いたことがあります。
Commented by w-scarecrow at 2008-12-14 23:15 x
okoさん、大和高原で調べてみます。パークハイアットで飲むのではななく自宅で飲みたい!染付け(絵付け)の作家さんで奈良で窯をもたれてる本多亜弥さんがいます。シンプルのなかのちょっとした異端が面白いです。すぐ売り切れてしまう人気のある作家さんです。