winter's scarecrow

サラダ


柳原可奈子風の女の子が少し年上の男と和風サラダをつまみながら呑んでいる。
「やっぱ、男の人って普段、生野菜を食べることは少ないでしょ・・でも重たいものを食べる前に生野菜を摂っておかないと代謝が・・」

どう見ても普段、生野菜を摂る子には見えない。
野菜といってもメインの皿の添え物につく、大きく盛られたポテトフライ。
そして炭酸類(サワー)をガバガバと飲みソーダ。

「レストランへ行ったときはまずサラダバーへ行って・・」
レストラン? そうかフォルクスかガストの食べ放題のサラダバーだ。彼女は間違いなくサラダが好きではない。 ポテトフライが好きだ。

そんなあげ足をとりながら、サラダに想い巡らす。


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美容院で髪をカットされながら、いつもESSEやCREAのお洒落なライフスタイルのページをめくっている。 女性誌しかないので。

四万十川の岩海苔と醤油味のニラ玉に大根と揚げの味噌汁の朝飯。
そんなしみじみっとした私の日常生活(ライフスタイル)ではなく、たまには雑誌から抜け出たようなスタイリッシュな朝食をと、さりげにPapasで買ったシャツでも着て食べてみようと、エッグベネディグトを作ったこともあった。

ベランダから見える風景は六本木ヒルズからの眺めのように一瞬見えたが、向い家の奥さんが物干しに干した布団をパンパンとリズムよく叩いていた風景だった。

お洒落な朝食を作るには時間と食材費がかかる。サラダにもよく知らないカタカナ名の葉っぱものせなければいけない。



20代のころ、アメリカの片田舎のダイナーでエリザベス女王みたいな気品のあるおばあちゃんに大きなボウルいっぱいのサラダが運ばれてきた。
その量にも驚いたが生野菜の上にはカリカリベーコンに蒸し鶏が敷きつめられ、さらに砕いたポテトチップスにシーザーズドレッシングがかけられたサラダが。 「うそっ・・」
新陳代謝を良くする生野菜が、逆効果のように見えた。 THEアメリカ人。


生野菜を摂らなければといつも強迫観念のように頭の隅にある。 温野菜の方がもっと繊維質を摂れんだぞ~とも解っている。

採りたての新鮮な野菜の美味しさを知らない私、不幸にも「美味しい~!」と思ってサラダを食したことがない。

人生の最期の晩餐はぎんなんが3個入った茶碗蒸しと決めている。 最後の晩餐に「サラダ」と答えるのは俵万智ぐらいしかいないと想う。


      ” 「また電話しろよ」「待ってろ」いつも命令形で愛を言う君 ”  俵万智・サラダ記念日より






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by w-scarecrow | 2017-05-17 21:03 | | Comments(0)