レジェンド
人々はどうして名所という名に弱いのだろ?
躰がだるい、目が疲れる、胃がしくしくするなど日々ポンコツになっていくおじさんたちの好物は、溌剌としたおじさんたちを見るとき。
” カズ50歳初G ” サッカーの三浦知良選手がJリーグ史上初の50歳以上のゴールを挙げ、まだ記録を更新しつづけている。
先日、ノルディックスキーのW杯ジャンプ競技では葛西記明選手が3位に入った。 44歳、W杯最年長の表彰台である。 1位、2位の選手の合計年齢が44歳ときた。 すごい。
躰をいじめることなく(内臓はいじめている)生きてきた私の涙腺がゆるむ。
枝垂桜の下、ビールをつがれた紙コップにひらひらと桜の花びらが落下してきたら・・なんて想いはせながら雑踏の飲み屋でワイワイやっている。
近頃、ポンコツな躰の部品以外に頭にも衰えを感じるが、考えてもしょうがない。 毎朝、目を覚ませば、その日は「私自身の最年長生存記録」の更新日だ。 私もレジェンドの仲間入り? 車検に出さなければいけないのに。
名所へとこぞって、今だとばかりに集まってくる。
前に進むのも難儀、座って一息なんてもっての外。
京都の桜の名所や上野公園に押し寄せる花見客、花びらは見上げれば、咲きっぷりを愛でることができるが、桜の木々が織りなす全体像を眺めることはできない。
「人ばかりで疲れた」と口々にして帰路につく。 どうしてわざわざ人混みへ出かけるんだろ。
私は目黒区青葉台にある西郷山公園の小さな丘にポツンと咲く一本の枝垂桜が好きだ。
宴会をやっているグループも少ない、丘の下のベンチから望む薄紅色の枝なみが大好きだ。
by w-scarecrow
| 2017-04-04 17:09
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