ポヨ~ン
東大生産技術研究所内で一番早く花開く桜の木
みち
みちのおわったところで
ふりかえれば
みちはそこから
はじまっています
ゆきついた そのせなかが
かえりみちをせおっている
でも もどりたくない
もっとさきへ
あのやまを こえてゆきたい
谷川俊太郎
なにも考えたくない、なにも感じたくない なにも放っておきたい・・・
そんな日があったらいいのにな~
水族館のクラゲでも観に行こうか・・? クラゲには脳がない、ゼラチン質の体だから肩もこらない、哀楽も絶望もない、
ただ、いつもポヨ~ンポヨ~ンと浮いていなければならない。
浮遊生活の日々、ポヨ~ンポヨ~ン。
渋谷からわが家へと向かうバス。
「寒いなかお待たせしました」とバス停で乗客を乗せるたびに運転手さんがマイクで言っている。(今日は寒くはないのに)
「× ×1丁目です。お疲れさまでした」
なんと優しい運転手さんなんだろう。 春の柔らかな陽を浴びながら 『 夕飯はなににしよう 』と冷蔵庫の中を浮かべてみた。
バスは私と運転手さんだけになってしまった。 誰にも邪魔されずピンポンとボタンを押す。
「お疲れさまでした」と運転手さん、「どうもご馳走さまでした」と私。 (あれ、っ違った)
『 お米と手造り味噌とカブと、泥付きネギがあるから駅前まで来れる? 』と古里の姉みたいな存在の kita さんからのメール。
今日の夕飯は決まった。カブの鶏そぼろあんかけ。 いつも山梨の新鮮な食をいただく、ほんと助かる。
袋の中には鹿児島の希少な芋焼酎も入っていた。「呑み過ぎちゃだめよ!」 「ありがとうございました!」(ここは、ご馳走さまかな)
そんな優しさに包まれた一日だった。
「お父さん!ヤクルトは一日一本にしてくださいね」と連れ合いから言われることもない、束縛のないポヨ~ンとした春の日。 いいんだか悪いんだか。
by w-scarecrow
| 2017-03-28 19:09
| 散歩