winter's scarecrow

だいこん

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今日の終わりも渋谷。

人はなぜ暮れなずむ街をジッと眺めているのか? 

上から地上を眺めていると、くよくよしている自分がちっぽけに見え、「おいおい!シュンとしてないで上を向いて歩こうぜ!」と活力をもらっているのかもしれない。


気温は高かったが風が冷たい昼前の下北沢、フレッシュネスバーガーで大好きなホットドックを頬張り、タマネギとピクルスの絶妙なコンビネーションに満足していた。

窓際には鷲尾いさ子みたいな美人がコーヒーを飲み宙を見ている。 なぜこんな美人がスタバではなくフレッシュネスバーガーにいるんだろう?
その向こうには私と同じようなおじさんが分厚いバーガーを食べている。スタバには向いていない。

美人の横にはナチュラルハウスで買ったのか葉付きの大根がレジ袋から顔を出している。

何を作るんだろう?

緩やかな気温のせいか窓の外を行き交う人も心なしか落ち着いて見える。


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鹿児島市の HP にある " こころの言の葉 " という子から親へ、親から子へへのメッセージのページを開いてみた。


     いつか

         私はついこの間まで「不登校」でした。でも立ち直れたのは、お父さんがいたお陰です。
         毎朝私の部屋の前に立って「おはよう、起きてるか」と声をかけてくれたこと。
         不登校児向けの教室を寝る間をけずって必死に探してくれたこと。
         請求書に示された高い金額をにらみながらも、私を塾に通わせてくれたこと。
         全てがありがたくて温かい。
         どんなに辛くても、お父さんは亡くなったお母さんの分まで背負い、私を支えてくれました。
         直接言おうとすると、きっと私は泣いてしまいます。
         だから、いつかお父さんがこの文を読む日が来ると信じて・・・。
         「迷惑かけてごめん。そして、ありがとう」


なにかキュンとした。


父に対して無口になった高校生のころ、父の親友が亡くなり告別式へ参列した父の帰りが遅くなった。

外は夏の雷雨、「今、田町だからこれからバスに乗って帰る」と父からの電話を私が取った。

すぐに雷雨の中を父の傘を持ってバス停へと向かった。

バス停へ向かう途中にあれだけ激しかった雨はサッと引き、私の傘からの雨だれはなくなっていた。

親友を亡くした父はいつもと変わらずの表情でバスから降りてきた。

閉じた傘を2本持って立っている息子に驚き、口元が少しだけ緩んだように見えた。

「待っててくれたのか・・ありがとな」


おそらく父から「ありがとう」と言われたのは、初めで最後だったような気がする。


フレッシュネスバーガーの美女の買った大根に触発されて、私も大根を買ってきた。 大根を煮付け鶏そぼろあんかけにした。
味噌味でもよかったが、今日は醤油味で。





by w-scarecrow | 2017-02-07 00:49 | そのほか | Comments(0)