winter's scarecrow

風 天

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今日も陽が西に傾いてゆく なぜ人は黄昏時になると妙にこころがざわめくのであろう

日が暮れると堂々と酒が呑めるからだ 

今夜はどんな人と出逢い 道半ばの哀楽を聞けるのであろう

そんなひとときにこころ騒がぬはずがない



先日、テレビ番組で渥美清さんが風に天、" 風天 " の俳号で読んだ句が紹介されていた。

        赤とんぼ じっとしたまま明日どうする

        うつり香の ひみつ知ってる春の闇

        テレビ消し ひとりだった大みそか



                                風天(渥美清)



渥美清さんが亡くなって8月4日で20年が経ってしまった。


私が初めて渥美さんを見たのは、渋谷のハチ公前の交差点、トレンチコートにハンチング姿で颯爽と歩いてゆく姿だった。
「わっ、寅さんだ」と声には出さずも、渥美さんが一瞥してくれたような気がした。
きっと母には「ダメ」と言われる、代々木ゼミの高校受験の春季講座の案内をもらいに行った帰りだった。

2度目は20代になって " ユーロスペース " といミニシアターで東欧の映画を観に行ったとき、後ろの方の席に渥美さんが座っているのを発見した。

柴又ではなく渥美さんの暮らす渋谷で俳優渥美清と遇った。

寅さんではない俳号、風天さん、じっと停まっている赤とんぼに「明日はどうする」と想いを寄せている。


明日はどう生きよう。

そんな想いを抱いて、口の悪い店主の店に集まる人たちから和みをいただいているのかもしれない。
by w-scarecrow | 2016-08-01 22:44 | そのほか | Comments(0)