お宝
母の日の華やかさにはまったく及ばない父の日。
地方紙に父親の想いを綴ったエッセイが載っていた。
「(抜粋)あのころに戻りたいと思うことがあります。もう一度やり直したい場面がいくつもあります。
お父さんは世界でいちばん強い、お父さんは世界でいちばんモノ知り。それを信じていた子供たち。
生まれたときは『生きてればいい、それだけでいい』そう思っていたはずなのに・・。
子供たちが成長するにつれ、いつの間にか『オマエのためだ』といいながら、親のわたしたちの欲のために子供を叱り、わたしたちのミエのための子育てをしていることがありました。
わたしたちは『世間に自慢するための子供』を育てたいと思っていたのでした。
そんなわたしに叱られて、泣きながら眠ったその顔に、涙のあとがくっきりと残っていました。
その涙のあとを拭きながら、わたしはなんと愚かな親だろうと思いました。
わたしはそのつど子供たちに許してもらって親を続けてきたのです。
いま、わたしの願いははっきりしています。
子供たちが幸せでありますように。この世に生まれてきたことを喜べますように・・。
そのほかのよいことは、オマケなんだと思います。
学生時代の友人は父の日に娘さんから高級育毛剤をプレゼントされ、「そんなにイッてるのか?!」と育毛オタクになってしまいました。
別の友人は父親とそっくりな顔が娘さんのコンプレックスになり、思春期のころは「傍を歩かないで!」とキツイ禁止令をもらってしまった。
娘さんが幼稚園のときに描いたお父さんの似顔絵がお宝だという。” だい好きなお父さん、おしごとがんばって!”
父の日の悲喜こもごも、次の日の飲み屋は失恋した若者のように肩を落としたオジサンたちでにぎわっている。
by w-scarecrow
| 2016-06-24 16:04
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