winter's scarecrow

たけのこの里

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赤坂見附から渋谷へ。

東急東横店での福岡物産展でご飯のお供を二品購入。

かつて " 青ガエル " と呼ばれていた玉電(世田谷線)の車両の前は待ち合わせの女の子ばかり、どうして男は女の子待たせるのだろう?

携帯電話のない時代は、どうしたんだろうか?事故でもあったんじゃないか?と相手を気遣いやきもきして待っていたが、今はどんなドキドキ感があるんだろう?

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ハチ公の前は殆どが外国人の旅行客、Hachi と代わる代わる記念撮影をしている。

カエル電車と帰ってくることのないご主人を待ちつづけたハチ公が向かい合っている。


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池ノ上駅からの帰り道、右足の痛みはまだ引けずゆっくりゆっくりと歩く。

家の近くの公園で一休み。 緑の葉が混じり始めた桜の木の下、お爺さんと警備会社の制服を着た50歳近いお父さんがベンチに座っている。

近くの道路工事現場の交通整理をしてるのだろうか。

村上龍の短編集に『 走れ!タカハシ 』というのがあった。
タカハシというのは1980年代に活躍した広島カープのスター選手。
走攻守そろったイケメン内野手だった高橋慶彦。盗塁王3回、全編タカハシが会話の中で登場する。

交通整理をしているカープファンのおじさんも一台車を通すごとに「走れ!タカハシ」と声をかける。

その中の一編、中距離トラックの運転手をしている昔気質のお父さんは仕事人間、家庭を顧みないという理由で妻に別居をされてしまい、中学生の娘との二人暮らし。(平成アベノミクスの今では考えられない理由)

思春期の娘とのギクシャクとした生活にも悩む働き者のお父さん。

ある日運送会社が倒産し、職のない日々がつづく、以前社長に連れて行かれたオカマバーで「あんたは絶対オカマに変装したら一番の売れっ子になるわ」と言ってくれたトマトちゃんと偶然、街で出会う。

娘には警備会社で働いていると嘘をつきオカマバーで働くことになる。
大学のラグビー部の部長をやっているというガタイのいい男が客でくる。横柄な態度で飲みつづける男はやがてトマトちゃんに絡みだし、それを止めたお父さんの頭をボトルで叩きつけてしまう。

オカマちゃんの姿で入院してしまったお父さん、その姿に別居中の妻が驚き嘆くが、娘は何気ない顔をしている。
お母さんと一緒に暮らす?との誘いには首を横に振る娘。

「いつか、お母ちゃんと一緒に野球観に行こうね」とお父さんの耳元で告げる娘。


そんな父と娘の物語があったなと、ベンチで旨そうにタバコをふかしている警備会社のお父さんを " Meiji たけのこの里 " を食べながら眺めていた。
by w-scarecrow | 2016-04-09 18:23 | 散歩 | Comments(0)