winter's scarecrow

♪ おさげ

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                  目を閉じると
                  おさげ髪の私が
                  元気に
                  駆け回っている
                 
                  私を呼ぶ母の声
                  空を流れる白い雲
                  どこまでも広い 菜の花畑
                
                  92歳の今
                  目を閉じてみる
                  ひとときの世界が
                  とても楽しい


                                 柴田とよ『目を閉じて』より



92歳で初めて詩を書き、新聞社に投稿し入選した柴田とよさんの詩。
とよさんは目に映った画を、瞼に残った風景を描きつづけます。  装飾のないそのままの言葉で。


" おさげ " 後ろ髪をきれいに束ねた子を見ると、彼女たちのお母さんの顔が浮かんでくる。

鏡の前に座ったおしゃまな娘に言葉を投げかけながら、櫛を持つ手で娘の成長を感じながらの、登校やお出かけ前の風景。

「おかあさん、ありがと! 行ってきま~す!」

そんな母と娘の限られた年月のふれあい。



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学校へ上がり、大きくなったらこんなおさげ髪の人と仲良くなりたい。

家にあった映画雑誌で見た若き日の酒井和歌子さんの清楚な姿。



濃紺のワンピースに太めのベルトをして、首元の白襟だけが色を持ったような制服の女子高生の集団が、赤坂見附駅に向かって坂をおりてくる。

山脇学園の生徒たち。
ここだけが戦時中の東京の街のようなノスタルジックでモノトーンの風景。

多くの生徒はおさげ髪、三つ編みをしていた。

長いワンピースの下には黒タイツ(たぶん?)の清楚な女子高生たちの姿を眩しく、こころ踊りながら目を合わせぬように合わせていた10代の頃。

『 おさげ髪 』、やさしい家庭、いつでも言葉を交わせるお母さん、テーブルにはハウスのクリームシチュー、そんな穏やかな風景がいまでもイコールになっている。
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by w-scarecrow | 2016-02-09 08:05 | そのほか | Comments(0)