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winter's scarecrow

きまぐれ旅

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                 鳥よ その羽を外してみてくれないか

                 お前が空を飛べるのは

                 羽があるからなどと

                 そんな単純なことではないと

                 わたしは思うのだ


                                 川崎洋詩集より



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寒さは沁みるが、少しづつ陽が長くなっている。 土からはそろそろ自分の出番だと動植物たちのうごめきが感じられる。

芋焼酎を呑みながら、BS Japan の " 聞き込み!ローカル線気まぐれ下車の旅 " というローカル線沿線を好き勝手に降りて、地元の人だけが知っているオススメ場所を聞き訪ねる番組を観ている。
そんな忘れかけた旅をまたしたい。

台本のない旅!? 、地元飯を美味そうに頬張る旅人二人を羨めしく眺め、「いつか、行ってみよう」「あの小さな駅を降りてみよっ」とメモをとったりしている。


母が非常袋と呼んでいた、私が幼稚園のころに大切にしていた肩掛けバックがあった。

その中にはいつでも家出ができるようにと、サクマドロップの空缶にミルキーを詰めたものと、姉からもらったカラフルなチェーリングの腕輪、ポチ袋に入った大きな50玉、お気に入りのビー玉が入っていて、いつでも決行できるようにしていた。

春が近いころ、わが家を振り返ららず、小走りに幼稚園の通学路にある白金6丁目のバス停へ、 " 日本橋室町行 " という、なんとも心そそる行先のバスがくる。

初めての家出のバスの旅はもうウキウキだった。東京タワーも間近で見れた。銀座も走った。

終点に着き、不審に思った運転手さんに職質をされ逆走、もう一度乗ったバス停に戻されることに。

途中から乗ってきた近所のおばさんに「wちゃん、どうしたの!?」と言われたら少し、涙がでてきた。

そんな初めての一人旅を想い出す。
                
by w-scarecrow | 2016-02-01 22:20 | そのほか