winter's scarecrow

お帰り 春 !

そろそろ真新しいランドセルを背負ったピカピカの一年生の入学式が始まるころ。

遅く花開いた桜の花びらが祝福してくれるといいな。


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作家の朱川湊人さんがいまだに悔んでいる中学時代の話。


    一年生の時に病気持ちの女の子がいたという。 
    
    隣の席の彼女は欠席がちだが、学校へ登校する時はいつも大きく膨らんだ学生カバンを持っていた。

    いつでも先生や同級生に教えてもらえるように、すべての教科書とノートを詰めていた。

    遅れた勉強を少しでも取り戻したかった。

    二年生では別のクラスになったが、ある日、あの大きなカバンを持って歩いている彼女を見た。

    カバンを持ってあげるべきだと声をかけようとしたが、あの年齢特有の恥ずかしさでそれができなかった。

    「少しの勇気を出すことが、あの日の僕にはどうしてもできなかった」

    数か月後、彼女は亡くなった。


         *     *     *     *     *     *


多くの人たちが重いカバンを心に抱え、桜の絨毯の上を歩いているのかもしれない。

でも中学生の彼女の大きなカバンは夢がいっぱい詰まっていた・・・。




野原ではタンポポのパッチワークが始まった。

春は毎年、ちゃんと帰ってくるんだね。 お帰り春。
by w-scarecrow | 2015-04-03 16:45 | 散歩 | Comments(0)