winter's scarecrow

ひかり

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              おてんとうさまは?

              ビルの陰に隠れたときに さっきまでそこにいたんだと気づく

              おてんとうさまは 薄く雲がかかっていても自分を探し笑顔をふりまいてくれる

              花たちが好きだ


              日傘をさし つばの長い帽子をかぶり 色めがねをかけ

              目も合わすことなく 迷惑がられている

              影が長くのび それが重なり合うころ

              やっと 目を細めながらおてんとうさんを見てくれる

              西の空に姿を消したころ やっと存在を想いおこしてくれる

              淋しいかな 都会の人たちには そこにいて当然の物なのかもしれない



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あれから20年の歳月が流れた。

迫りくる炎を前に瓦礫の中の父が叫ぶ「もう逃げろ あとのことは頼んだぞ」

想いを寄せていた人から「結婚、私はOKだよ。待ってた。明日逢って話そう」と、喜び勇んで迎えた翌朝、テレビから流れた映像。

大阪から原付バイクをとばして崩れた街のなかを走り、やっと待ち合わせ場所の三宮まで「彼女は生きている」と言い聞かせながら止まった時間を待つ。

数時間も原付を走らせ、道を塞ぐ火のくすぶった家々の残骸の間を手で押し、黒煙に覆われた彼女の住む町へ。


「共に生きて、なぜ自分だけが生き残ったのか」
もがいても、もがいても「なぜ?」の言葉がつきまとう。答えの出ない自問の日々、早く時が過ぎ去ってほしかった。

津波に遭われた方も同じ思いなのかもしれない。
そんな大切な人を失った被災者の言葉を聞きながら、自分の身に置いてみた。


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by w-scarecrow | 2015-01-18 20:50 | そのほか | Comments(0)