winter's scarecrow

サムライ

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今年一年を振り返る映像が各局で流されている。

紺色のバーバーリーのワンピースを着て顔に光るラメに、今にも涙がこぼれ落ちそうな小保方さんに心揺れたおっさんも少なくはない。

割烹着を見て思い起こす映像。

私の母が割烹着姿でハエ叩きを持ち、あっち行ったり、こっちへ行ったりしている画。


私が NHK の子供番組 " 三匹の子ぶた " を観ながら TV と一緒に ♪ ブーフーウー 三匹の子ぶた 一番上はブー ブーブーブーにぶつぶつ屋 二番目はフー フーフーフーのくたびれ屋・・・♫
と大声で歌っていると、

「やめなさい!テレビを消して!」と、ハエ叩きを持ちながら、「おとうさん!電話・・長距離だから、早く」と叫びながら階段を駆け上がってゆく。

長距離電話のときは母は走る。家族は声を出さないよう息を止めていた。

風呂敷を鞍馬天狗の頭巾のように結んでもらい気分はサムライ、おもちゃの刀で円月殺法を決めてから「切り捨て御免」と、台所の母を斬り、「ただいま~」と帰ってきたお兄ちゃんをエイッ!と斬り、お隣のK さん宅に討ち入り、父とお茶を飲んでいたお隣のお婆ちゃんを斬ったところで母が走りこんできた。

「おとうさん、電話、長距離!早く!」
と、記憶の中の断片映像だけが重なる。

昔は長距離電話って電話交換手が「長距離です」と伝えていたのかなぁ。


今になっても地方の友人と話すときは、黒柳徹子口調になってしまう。


         十二月になると一日一日に時を刻む音が聞こえる   山本周五郎
by w-scarecrow | 2014-12-17 19:02 | my back pages | Comments(0)