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winter's scarecrow

Hong Kong

朝からの強い雨。

一日中、家に閉じこもっていることができない子供のように、雨間をぬって外に出るチャンスを窺っていた。

すべてのことがメールで済む時代になって煩わしさがなくなったが、こんな雨の日は携帯の着信音 ♪ 六本木心中 ♪ や固定電話の ♪ Amazing Grace ♪ が鳴らないかとつい電話機を見てしまう。

いつもは全く出ないセールスらしき電話も今日だったら、話し相手になってあげるのになぁ。

誰か「Wくん、あ~そぼ」と外から声がかからないかなっ。


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昼ごはんはチーズクリームのレトルトのパスタソースがあったので、冷蔵庫にあるちりめん山椒と大葉を混ぜ合わせた。 
結構旨いんです。


啓徳空港が香港の空の入り口だったころ、パトリック・タム監督の映画制作で初めて香港に滞在した。 
空港から街中まで中華料理の香辛料の匂いがどこかしこに沁み込んでいるのを感じた。

おもちゃ箱をひっくり返したような歴史ある街の猥雑さ人々のエネルギーが、心の中の空白部分にぴったりとピースがハマった。

香港返還前に許鞍華(アン・ホイ)監督と普段は全くしない政治的な話をしたことがあった。

90数パーセントの漢族が残りの少数民族を支配している本国、「マイノリティーの人々のアイデンティティーを奪おうとする国家はいつか崩壊する」とアンは私の目を見て言っていた。

「返還前に移住することは考えてないの?」
「もう、若くはないし、どう変わっていくか自分の目で見つづけていたいの」

そんなアンの言葉を想い浮かべながら雨傘を持ち失われゆく権利を取り戻そうと集う若者たち、彼らに同調した市民たちの画をTV で観ていた。
1997年以前の香港、欧米では感じることがなかった、もともとの漢族が持っている大らかさ懐の広さ、少しばかりデカダン、あの自由で開放的な" Hong Kong " に大きなエネルギーをもらった。

客家(はっか)と呼ばれた漢族の源流の流れを汲む人々がいる。 
彼らの流浪の歴史、孫文、鄧小平、李登輝、侯賢孝(台湾・映画監督)、余貴美子(従妹の范文雀)等々、客家である人々の民族性の源を遡るのも発見がある。
by w-scarecrow | 2014-10-05 19:58 | そのほか