winter's scarecrow

ほんのり

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「いいね、お盆でガラガラな東京の街は」と、いつも嘘ぶる。

盆暮れに行われる国民的大移動、乗車率200% の列車に乗り、くたくたになりながら古里へ帰る。

祖父母とお父さんの交わす聞き慣れない方言や言葉の抑揚に子どもたちも聞き耳を立てる。 お父さんもお爺ちゃんの子どもなんだ。

東京駅に吸い込まれる家族連れを羨望の目で眺めている。



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牛タン定食の麦めしととろろが食べたかったが、陽差しがあまりにも強く吉野屋の自動ドアのとってを押していた。

空いた店内で斜め前に10代後半のカップルが牛丼を食べている。
二人の前にはサラダ。
彼女はゆっくりとゆっくりとご飯を口に運んでいる。 彼氏は食べ盛りだけあってアッという間に牛丼とサラダを平らげた。

彼女はまだ牛丼の半分も食べていない。
「食べていいよ・・・」と彼女は自分のサラダを横にづらしていた。

彼氏は急かせないためなのか、スマホをいじり始めている。
彼女にしては目一杯、急いで食べているのだろう。 言葉を交わさず丼に集中している。

懐かしいミサンガが彼女の手首にあった。
水色と黄色で編まれたミサンガが涼しげだ。 少しばかり焦りながら箸を動かす彼女の表情も幸せそうだった。


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by w-scarecrow | 2014-08-17 11:10 | そのほか | Comments(0)