winter's scarecrow

君の心で花は咲く

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大阪土産の豆狸のおいなりさんをいただいた。
東京の甘濃いいのとは違って木村多江のようなサラーっとした感じで、一気に食べてしまった。

晴れ渡る青い空。
渋谷のマークシティーの前で待ち合わせをしていた。

横にいた60代半ばのご夫婦。
奥さんは旦那さんに東急の紙袋を預けている。
「じゃあ、ここで待っていてね。買ってくるものは?」
「ない」
「ぬれ甘納豆、買ってくる?」
「任せる」
「混んでると思うから少し時間かかるわよ、ここから動かないでよ」
「ああ」

東横のれん街がマークシティーへ移って、連日大盛況。 旦那さんは人混みが苦手みたいだ。
「ここから動かないでよ」と強く言われて、ほんとに一歩も動かないでいる。
若者だったらすぐに携帯を開く?のだが旦那さんは紙袋を2つ抱え、清々しい顔で遠くの景色を眺めている。

” 花園 " のぬれ甘納豆がきっと大好物な旦那さん。 奥さんの問いかけには全て4文字以内で返答する。
奥さんが選んでくれたのであろう春物のコットン・ジャンパーが恰好よかった。


韓国の女性詩人・李承信(イ・スンミン)が3.11の震災に接し、新詩集 『 君の心で花は咲く 』 のなかで120首を詠んだ。

          ” 花咲けばあの人かと 雨降ればあの人かと 微笑みで迎える美しき沈黙 ”





帰り道、イヤホンから流れる秦基博の ♪ 鱗(うろこ) ♪ が、お父さんの立っていた渋谷の街の情景とに妙にマッチしていた。
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by w-scarecrow | 2013-04-13 21:17 | | Comments(2)
Commented by yundes at 2013-04-14 01:27
日常の何気ない風景と人々が伝わってくる素敵な文章ですね^^
昨日の夜にテレビで流れていた映画「主人公は僕だった」を思い出しました。
日常の中には誰にでも物語があって、悲劇と喜劇とが入り混じって過ぎてゆく。
そんな映画の内容でした。静かな感動が残るよい映画です。

関西のおいなりさんはサラーっとしてるのですね^^
ちょっと甘めのお揚げさんが美味しいのですよね~
Commented by w- scarecrow at 2013-04-16 12:31 x
yundes さん、地震の影響がなく一安心。
街の中の熟年夫婦、昔ながらの亭主像、単純な会話の中にも絆を感じることが多いです。
東京のおいなりさん、濃いめの味付けのところが多いですよ。
お揚げさんの形が京都や大阪、色々と個性があっていいですね。