winter's scarecrow

♪ 君の欲しいものはなんですか・・

" 網棚に花束一つ終電車 "

何年か前の週刊誌にこんな川柳が載っていたと新聞のコラムで知った。
定年の送別会で贈られた花束、2次会、3次会と惜別の酒を重ねるうちに、したたか酔ってしまい、終電の棚に置き忘れた花束。
支えてくれた家族への言葉には出さない感謝、仲間たちへの「ありがとう」、そんな定年を迎えたお父さんと網棚の花束と人生は、車庫へと向かっていくのか・・・。

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昨年に離婚をし、今はひとり身となった写真好きの H さんとBARで酒を呑む機会が多い。
カメラの機器についての話を聞いているだけで愉しい、私の知らない世界が広がってくる。

H さんは大学時代以来のひとり暮らし、借りたアパートのキッチンには雪平鍋とヤカンしかないという。
仕事を終えて居酒屋さんで酒を呑み、食事をして帰るか、コンビニ弁当をチンをしてもらって帰るかの選択みたいだ。
ひとり暮しの長い私としては、食生活の話を聞いているだけで母性(父性)本能が湧いてくる。
「身体壊っしゃう」と言いかけるが、 H さんも承知していることと思う。 

H さんは年頃になった娘さんと2人で食事をした時のことを愉しく話してくれる。 
「どんな男と付き合おうと構わないが、できちゃった結婚だけはやめてくれよ・・・」
これは、どんな父親にも共通する台詞。
「解ってる。お父さんもできちゃった結婚はダメだよ!」との娘さんの反応があったらしい。

そんな娘さんの話や青春時代の話をして下北沢駅で別れる。
どう見ても23歳の娘さんがいるとは思えない闊達とした H さんだが、見送る後姿が疲れている、学生時代以来のひとり暮らしに疲れている。
でも私と違って、娘さんを含め心の置き場がある。
好き勝手に自由に生きてきた男と違って、責任、みっともない生き方はできない父親の姿がある。

家へ帰りCDを聴く。 2年前にCMで流れていた吉田拓郎の名曲♪ 流星 ♪ のカバー、手嶌葵の歌う ♪ 流星 ♪(clickすると youtubeへ) がどっと深く心に沁みる。

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桜が満開の東京、薄いピンクの花びらに透けた青い空、淡く儚い花びらの表情を浮き立たす。
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by w-scarecrow | 2012-04-08 22:06 | そのほか | Comments(4)
Commented by kurota at 2012-04-09 16:29 x
網棚にぽつんと残った花束・・・なんか悲哀を感じますねT_T
定年退職の「花束」は花キューピットで自宅に届き、ご苦労さんコンパの翌日から 再雇用で老体にむち打っていつも通り元の職場に働きに出ている「定年おじさん」が我が家に一人いますよ^w^
春からまた一人暮らしに戻った次男には 小さな中華鍋を持たせました。炒める・煮る・蒸す!オールマイティーな活躍をしてくれているみたいです^^

Commented by 花子 at 2012-04-10 05:33 x
80年で87600回しかありません、少しはかかしさんを見習い一回一回の食事を大切に楽しんで欲しいですよね。
いつでも青春、人生には定年はないから生きてる限り現役だよ、とおっしゃたOBがいました。
桜は華やぎと儚さを運んできますね。あと少し楽しみましょう。
Commented by w- scarecrow at 2012-04-10 09:30 x
kurotaさん、そう中華鍋一つあれば何でもできますもね。
blogでのご主人の定年の記事、会社の心遣い・・・すごいなぁって思いました。
当人ではなく支えてくれた奥様に花束が届く・・。
終電が一旦車庫に入って、また始発電車でホームに停車したんですね。
頑張ろう!日本のお父さん。
Commented by w- scarecrow at 2012-04-10 10:10 x
花子さん、そう食事なんです。
もこみちの「MOCO'S キッチン」の本を渡そうかなと思ったのですが、オジさん同士で料理本のプレゼントはと躊躇。
居酒屋での食事はいいと想うのですがカップ麺とコンビニ弁当は切ないですね。
でもフットワークの良さには脱帽です。
吟行会、もっと遅くだったらお腹の具合も良かったでしょうし残念ですね。
花見客の姿を観に行く花見より、町中の民家の桜を観ていた方が風情がありますね。