九品仏浄真寺 紅葉
12月13日、世田谷区奥沢にある浄真寺まで自転車をとばした。
茶沢通りから国道246、自由通りを抜け九品仏まで30分で着いた。
朝6時50分、すでに参道や本堂へ向かう通路はご近所のボランティアの人たちによって落ち葉が集められていた。
間に合わなかった。 掃除する前に来たかったのに。
総門まで 100m の参道がつづいている。
仁王門、そして東門が望める。
上品堂、その隣りに中品堂、下品堂の3つのお堂があり、一堂三躰、計九躰の阿弥陀如来像が安置されている。
1678年に開山した浄土宗・九品仏浄真寺、300年前にこの地で暮らしていた人々も明治時代に生きた人々も空襲の中逃げ惑った人々も、この紅葉に息を呑みこの風景を愛でていたんだろうなと想いを巡らした。
先週、皆既月食を坂を上りながら眺めた、近くの児童公園でも何組かのカップルが空を仰いでいた。
萩原朔太郎の詩集『月に吠える』、”月に吠える犬は自分の影に怪しみ恐れて吠える”
ほろ酔い気分で急坂を上り、月に照らされた自分の影に怯える、何か納得しながらカップルと同じ月を眺めながら夜の街を歩き帰った。
時間の経過に速いも遅いもないが師走だけは一日が20時間しかなのかと思うほど、走り去る。
老母からの電話で正月はいつ来るのかと訊いてきた。 自転車で20分の距離なのに。
きっと兄夫妻がデパートのおせち料理のセットを発注しているし、僕は元旦の日にお雑煮を作りに行くので何も買わなくていいよと言った。
「じゃあ酢の物くらいは作っておこうかね、タコも買わなきゃいけないね」
母の気分はクリスマスをポンと飛び越して正月へ行っていた。
by w-scarecrow
| 2011-12-14 20:10
| 散歩