winter's scarecrow

家 出

越後上布という麻織物がある。
雪に覆われた豪雪地帯に春が近づく頃、新雪の上に織物を敷き雪にさらす、
太陽の光で雪が蒸発をするときに発生するオゾンが麻本来の色素を分解し、透き通るような白が生れるという。
生成りの麻の布地が光と雪で純白に変化する。

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人工的な色彩に包まれた街やモノトーンの湾岸の街を歩いていると不安感や孤独感を感じる。

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植物の育みの恩恵で染色された布地のやわらかさな風合い、自然から享受された古びとの英知。
そんな彩りをイメージしながら心の置き場を探し歩いている。

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作家・壇一雄はなんの前触れもなく、突然旅に出る。
家で家族に囲まれているときは家出の準備期間だったという。
家出をして世界中を放浪し、その土地のものを食す、呑む。 旅のお土産は訪れた国々の料理を家族に作ってあげることだったらしい。

「この地上で買い出しほど好きな仕事はない。あっちの野菜屋からこっちの魚屋へと、日に三、四度は買い出しにまわっている」
壇流クッキングの本まで出している。
私も買い出しが好きだ、旬の野菜や魚を買って帰るのが愉しみでならない。
放浪、男の本望かもしれない、待っている人がいるからこそできる家出。

壇一雄が1年3ヶ月を過ごしたポルトガルのサンタクルス。
大西洋に面した光と色鮮やかな街へ、私も行ってみたい。 家出ではなく放浪。
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by w-scarecrow | 2011-07-09 21:02 | そのほか | Comments(2)
Commented by hayatedani at 2011-07-10 23:48
檀一雄はサンタクルスの後に、福岡の能古島に移り住んだんですよね
何故、終の住家が能古島だったのか詳しくはないのですが
きっと食べ物がおいしかったことも一因ではないかと思います

昨年、檀一雄の長男さんが能古島に移り住んだ、なんて記事も読みました
九州は人を惹きつけ特殊な磁場があるのでしょうね きっと
Commented by w- scarecrow at 2011-07-11 22:45 x
hayatedaniさんも暮らしていたことのある福岡。
壇さんのルーツも福岡、能古島から望める博多の街。
生きてきた標の数々ある街を小島から一望できるっていいですね。
玄界灘の海の幸、堪らないですよね。 苦手な溜り醤油で食べた刺身が美味かった!
食の回帰ってあるんでしょうね。 もう一度故郷の味に戻るのでしょうね。
九州は磁場があると想います。hayatedaniさん、中洲には暫く行かれてないんですか・・。