winter's scarecrow

♪ As Time Goes By

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                     ジンジャエール N.E.O.

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レイモンド・チャンドラーの小説『長いお別れ』『さらば愛しき人よ』等の主人公の探偵、フィリップ・マーローに憧れた人も多いはず。
Barの片隅でCamelをふかしながら、N.Y.Yankeesの試合の経過をいつも気にしている。
酒にまつわる話を通して人物像が巧みに描かれ、その話が物語の伏線となってゆく。

初めて渡米した20歳のとき、憧れのdowntownのしゃがれたBarへ入ってみた。
レイバンのサングラスをかけてニヒルにBarの扉を開けようと思ったが、真っ暗な階段でコケそうになったので免税店で買った$30のレイバンは外して入った。

ダークなpiano trioの音が響いていた。 
映画『カサブランカ』で黒人のピアニスト、サムが弾く♪As Time Goes By♪のような生の演奏ではなく、針がとびそうなギスギスしたLP盤の乾いた音が流れていた。
バーテンダーがクールに注文を訊いてきた。
もちろん「バーボンを・・」
「・・pardon?」
「バーボン!」「・・・?」「borbon!」「Oh,ヴァーヴァン」
「Which boubon?」 「うーんと、I.W.Harper」

日本人はどうしてもカタカナで発音してしまう。 バーボンではなくヴァーヴァンに近かった。
出鼻をくじかれてしまいフィリップ・マーロウにも水谷豊にもなれなかった。

バーテンダーが美味しいモスコミュールを作りたいと生みだされたジンジャエールN.E.O.
香料のみで味付けされている既存のジンジャエールは生姜本来の香りや辛さが出ていない。

小さなビンに詰められた生姜と数種類の香辛料を煮出して作られたN.E.O. 確かに本来の生姜の香りやピンとした辛さがあって旨かった。 このまま飲んでも美味しいジンジャエール。

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かんがへて飲みはじめたる一合の 二合の酒の夏のゆふぐれ 若山牧水 


牧水には憧れなかったが、酒飲みには身に沁みる歌。
月を見て、川を見て、涼や暖を感じて呑む珠玉の時、鏡を見ては決して呑めない酒。


唐津で作陶されている村山健太郎さんの酒器で福井の酒"黒龍"を呑む。

草木や釣り人などの伝統的な絵唐津ではなく、キャンバスに想いを置いたようなタッチで面白い。

黒唐津片口、絵唐津徳利、絵唐津ぐい呑の村山ワールド。
日本酒は唐津がしみじみと応えてくれる。




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by w-scarecrow | 2010-10-23 09:52 | 食 + うつわ | Comments(4)
Commented by hayatedani at 2010-10-23 23:03
w-scarecrow さんの手記?酒器?を見るたびに
下戸の自分を恨みます
こんな唐津で日本酒を飲みたい気持ちは
下戸の私でも解ります
かせた釉薬が秀逸ですね
この酒器が酒でしっとり艶が出るまで見守りたい

まあその頃はw-scarecrow さん
アル中になってるかも
Commented by w-scarecrow at 2010-10-23 23:08 x
hayatedaniさん、唐津の若手の作家さんたち、すごい感性のある人たちが出てきて頼もしいです。
酒は既成のものをぶち壊すエネルギー、酒器は既成のものを壊してくれないと美味しくないです。
吉祥寺の"いせや"で呑みましょうね。
hayatedaniさんは薄めのコークハイでもいいですよ。
Commented by abebe_039 at 2010-10-25 06:52
生姜からつくったジンジャエール美味しいですよね。
たまに出会うと嬉しくなります。
あの舌にピリっとくる感じがなんともいいです。
ジンジャエールもいいけどどちらかというと
モスコミュールの方が好きかな。
Commented by w-scarecrow at 2010-10-25 08:43 x
abebeさん、おはようございます。
ジンジャエールって本当は生姜から出来ているんだ!って実感しますよ。
今まで飲んでいたのはなんだったんだろう。
モスコミュールは家でも簡単にできるので試してみてくださいね。
"もみじ市"初めてしりました。多摩川の河川敷でやっているんですね。楽しそう。
もの作りの人々が集まる催しをちゃんとチェックしなければダメですね、残念。