winter's scarecrow

Blowin' in the Wind

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東京の街を出たいという願望がいつも心の片隅にある。
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中学生のときに澤田教一、一ノ瀬泰造という戦場のカメラマンを初めて知った。
ピューリツァー賞をとった澤田のベトナム戦争時、我が子を必死に抱いて河を渡る傷ついた母親の画、
『ライカでグットバイ』という書で有名になった一ノ瀬。
ベトナム戦争の末期、無政府状態の最も危険な地域だったカンボジア。
一ノ瀬がひと目見たかったアンコールワットを目指して、クメール・ルージュ支配下にあった無秩序地帯を突き進む。
澤田も一ノ瀬も安息の地を求めて日々、戦場で写真を撮っていた。
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澤田教一34歳、一ノ瀬泰造26歳、二人とも内線下のカンボジアで戦死した。
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そんな戦場カメラマンに憧れた。
彼らは戦場を撮っているのではなく、戦禍の人々の素描、子と母、戦士の不安、街の破壊・・この時代を生きている人の儚さを映しだしていた。
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カメラを持ち歩いていたのは10代までだった。
いつか澤田や一ノ瀬が想い抱いたように海外の通信社に入るのが夢だった。

この2年、デジタルカメラを買ってから東京の街の情景を撮りたくて少しづつ、カメラに収めている。10代以来のカメラ。
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自然が織りなす圧倒的な美しさの写真を見ても、あまり心を動かされることがない。
東京の喧騒のなかで生まれ育ったせいかは判らない。
美しい花があっても、風に揺れる川面があっても、紅いの富士山が輝いていても、いつもそこに人の小さな営みや匂いが感じられる写真に興味がゆく。
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東京を出てみたい、一度しかない人生、踏み出せばいいのに・・。
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いつも、いつも海の望める海辺の町で暮らすことを夢見ている。
映画『八月の鯨』の老姉妹が、いつか来たクジラの親子たちが再びやってくるのを待っているかのように、ここを離れられないのはなんなんだろう。
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by w-scarecrow | 2010-03-24 23:21 | my back pages | Comments(10)
Commented by yundes at 2010-03-25 01:19
私は写真は感性だけで見るだけですが・・・
記録として残る写真と記憶として残る写真がある感じがします。
私はscarcrowさんの撮る写真は好きです。
その場の空気や気温や人の姿が感じられるので。
この先、海の望める海辺の町で暮らせるといいですね。
あとは踏み出す時期だけ。今はその時期では
ないのかもしれませんね。
Commented by Kirara at 2010-03-25 09:08 x
wさんの写真は 東京の街でありながらなぜか
外国の風景のように私には見えるんですけど・・・。
もしや何か 魔法をかけていますか?

カンボジアやアフガン そしてアフリカで働く若者と接する機会がありますが 
彼らはそこで 日常的に接する汚い物 くさい臭いなどから 生きる意欲を
強烈に刺激されている・・とよく話してくれます。
戦場の比ではないと思いますが 人や家畜の生き死にをつぶさに見ると言う濃い経験は
人の五感に直接働きかけるものなんだな・・・と思います。
昔 一ノ瀬さんのお母様が書かれた手記を読んだ記憶がありますが
胸が詰まる思いでした。
Commented by hayatedani at 2010-03-25 21:28
The answer is Blowin’ in the wind
答えは風の中にある ということですね
Commented by スミエ at 2010-03-25 22:13 x
確かうちのカフェの隣が250坪で1000万で売りに
出たと思いますが・・・いかがですか?
毎日海を眺めて暮らせますよ。
目の前の現実を一瞬にして切り取った映像が
百の言葉よりもはるかに説得力がある・・というのが
すごいですよね。でも・・・逝くのが早すぎました。
Commented by w-scarecrow at 2010-03-26 20:09 x
yundesさん、ありがとうございます。
街で撮る写真と部屋で物を撮るのと全く違う心境です。
物を撮るのは限界を感じてしまって楽しんで撮れないです。
外では望遠レンズを持っていないせいもあって、より被写体に近づかなければならず、それが楽しいのかもしれません。
街の情景を切り取る感じで撮っています。
いつも海風に当たっていたいですね。
いつの日か移りすみたいです。
Commented by w-scarecrow at 2010-03-26 20:23 x
kiraraさん、彼らの言葉すごいですね。
生きることの根源が辿ってきた歴史によって違ってくるのでしょうね。
和と洋の折衷が好きで建物でも物でも、結構引かれてしまいます。
一ノ瀬さんのお母さんの手記、僕も読みました。
殺戮を繰り返していたクメール・ルージュの中、アンコールワットを目指す、死に場所を決めていたのでしょうね。

Commented by w-scarecrow at 2010-03-26 20:28 x
疾風谷さん、How many roads must a man walk down,
befor you call him a man.
どれだけの道を歩いたら、男として認めてくれるのだろうか。
疾風谷さんの言われたように答えは風の中、なんでしょうね。
Commented by w-scarecrow at 2010-03-26 20:36 x
sumieさん、250坪でなく50坪でいいんですが・・。
sumieさんのblogでたまに海向けの写真があると、溜息ばかり、いいですよね毎日、美味しそうなアジやイワシの泳いでいる海を眺められて。
いつかsumieさんちの町内会に仲間入りしているかもしれませんよ。
その前に山口弁をぶちマスターしなければなりませんね。
Commented by 花子 at 2010-03-30 05:53 x
生きていればもっと素晴らしい写真を撮ることが出来る、
愛する人たちを撮ることが出来る、
死んで何かを残すより、生きて何かを生かすことのほうがカッコいいですよ。
待っていた桜がもうすぐ満開になりますね。
Commented by w-scarecrow at 2010-03-31 09:40 x
花子さん、言われるように今はそう思うのですが、
10代の頃は夭折した作家、音楽家、写真家に目がいっていました。
缶コーヒーBOSSのCMではないですが、散りぎわの美より、しぶといのもいいのではと今は思っています。
松蔭神社の「石はら」に今度行ってみます。