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winter's scarecrow

林正太郎 『志野湯呑』

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志野は白い焼物。 日本人が長年抱いてきた夢。
中国の白磁という夢の焼物に想いを馳せ、16世紀に末、志野が生まれ、白という色を本当の意味で実現した。
さらに鉄絵といわれる下絵付きの焼物、長石釉という白みを帯びた一種の透明釉と美濃の白い土があわさることで可能となった。
[写真右]林正太郎さんの【鼠志野】、500年前の美濃の陶工が白い素地に絵を描くという画期的な作風を生みだすや、今度はそれを反転してみせた。
林正太郎さんは絵を描くというよりデザインされたような今を感じるかわいらしい湯呑である。


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綿菓子のような【志野湯呑】
白磁のような均一性をもたず白さも劣るというマイナス点が、茶陶の志野ではその抽象性を重んじるという、日本人独特の美学がそれを支えていった。


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【鼠志野湯呑】
                          林正太郎
                          1947年 岐阜県土岐生まれ
                                  兄の林孝太郎氏に師事
                          1974年 独立
                                朝日陶芸展では2度の最高賞と優秀賞を受賞する
                                他、数々の賞を受賞
                          2002年 土岐市無形文化財保持者となる


林正太郎さんのうつわを愛する人が多い。 伝統の中に林さんのやわらかさ、精密さ、鋭さ、現代的な感性が包含されている。 

今朝、5時7分に皆と一緒に目覚めた。
静岡に住む旧友のS君にすぐ電話をしよう思ったが、阪神大震災の混乱している町や人々の姿や倒れた高速道路の画が頭に浮かび躊躇した。
TVをずっと見つめていたら、地震の後にもかかわらずコンビニで買い物をしている客がいた。
とりあえず胸を撫でおろす。
S君のことだから、余震があることを想定して買い出しに行ったかもしれない。
黒い(灰色)はんぺんの入った静岡のおでんも買っているかもしれない。
台風と地震が重なった。 まだまだ余震と土砂崩れが心配だ。
by w-scarecrow | 2009-08-11 19:32 | うつわ